半導体ニュース 20251224

主要ニュース

1. サムスン、iPhone 17向けDRAM供給の60%以上を確保か
   サムスン電子が、Appleの次期スマートフォン「iPhone 17」向けのDRAM供給において、全体の60%以上を受注したと報じられました。これは競合するSKハイニックスやMicronに対する優位性を拡大するものであり、続くiPhone 18においても有利な地位を固める可能性があります。メモリ市場での技術競争力と供給能力の高さが、Appleという最大顧客からの信頼回復につながっていることを示唆しています。
2. ByteDance、2026年のAI投資を230億ドルに増額しH200を発注
   TikTokを運営するByteDanceは、2026年の設備投資額を230億ドル（約3兆円超）に大幅増額し、AIチップの調達に重点を置くと報じられました。同社はNvidiaの最新AIチップ「H200」を初期ロットとして2万枚発注する計画です。米国の輸出規制が続く中でも、中国テック巨人がAIインフラの構築に巨額の資金を投じ、計算能力の確保に全力を挙げている姿勢が鮮明になっています,。
3. メモリ高騰でサムスンとSKの利益率がTSMCを逆転する可能性
   メモリ価格の急激な高騰を受け、2025年第4四半期にはサムスン電子とSKハイニックスの売上総利益率が、ファウンドリ王者のTSMCを上回る可能性があると報じられました。AIブームによるHBMやDRAMの需要爆発が利益構造を劇的に改善させています。これに伴い、HPやLenovoなどの大手PCメーカーは供給不足を恐れてサプライヤーを訪問し、メモリ在庫の確保に奔走している状況です,。
4. TSMCの「N-2」ルールを受け、AMDやGoogleがサムスンに関心
   TSMCが海外工場での製造技術を台湾本土より遅らせる「N-2」ルールを維持しているため、最先端チップを求めるAMDやGoogleなどの米国企業が、サムスン電子やIntelなどの他社、あるいは米国内での2nm生産に関心を寄せていると報じられました。TSMCの地政学的な制約が、競合他社にとっては顧客獲得の好機となっており、先端プロセスを巡る受注競争の構図に変化が生じ始めています。
5. トランプ政権、中国半導体への追加関税を実質「0%」で先送り
   トランプ次期政権は、中国製半導体に対する新たな追加関税率を「0%」と設定し、実質的に課税強化を先送りする方針を示しました。米国内の産業界からの反発やインフレ懸念に配慮した可能性があります。一方で、2027年6月からの関税引き上げ案も浮上しており、米中貿易摩擦の行方は依然として不透明ですが、一時的な緊張緩和のシグナルとして市場に受け止められています,。
6. Rapidus小池社長、600mm角の巨大基板を披露し2039年構想語る
   日本のRapidusの小池社長は、記者会見で600mm角という巨大なガラスおよび有機基板のパッケージ試作品を披露しました。これは2nm世代のチップを複数搭載して性能を引き上げるための後工程技術です。さらに、2039年までの長期的な工場建設構想も語られ、単なるファウンドリにとどまらず、パッケージングまで含めたトータルソリューションで世界と戦う日本の半導体戦略の具体像が示されました。
7. TSMCのファウンドリシェアが71%に到達、独走態勢が鮮明に
   TrendForceの調査によると、2025年第3四半期の世界ファウンドリ市場におけるTSMCのシェアが71%に達しました。AIおよびスマートフォン向けチップの圧倒的な需要が同社の成長を支えており、2位以下のサムスン電子などとの差をさらに広げています。最先端プロセスにおけるTSMCへの依存度が極めて高くなっており、サプライチェーンの集中リスクと、同社の不可欠な地位が改めて浮き彫りになりました。
8. ロームとタタ・エレクトロニクス、インドでの半導体製造で提携
   日本のロームとインドのタタ・エレクトロニクスが、半導体製造に向けた戦略的パートナーシップを締結しました。インド国内でパワー半導体などの製造協力進める狙いです。インド政府は半導体エコシステムの構築を強力に推進しており、日本企業がその成長市場に食い込むための重要な足掛かりとなります。グローバルサウスにおける供給網の多角化が進んでいます,。
9. 米国、Nvidiaチップの密輸疑惑で東南アジアの大口購入者を捜査
   米国政府は、Nvidia製のAIチップが東南アジアを経由して中国へ不正に輸出されている疑いがあるとして、同地域の大口購入者に対する捜査を開始しました。正規ルートでの入手が困難になった中国企業が、第三国を利用した「抜け穴」を使っている実態に対処するものです。対中輸出規制の実効性を高めるため、米国が監視の目をグローバルな流通網全体に広げていることを示しています。
10. 中国Moore Threads、Nvidia「CUDA」に対抗するエコシステム構築
    中国のGPUメーカーMoore Threadsは、Nvidiaの支配的なソフトウェア基盤「CUDA」に対抗するため、独自プラットフォーム「MUSA」を用いた開発者エコシステムの構築に力を入れています。市場シェアはまだ1%未満と小さいものの、中国国内での技術自立を目指す動きとして注目されています。ハードウェアの性能向上だけでなく、ソフトウェア環境の整備が中国GPU生き残りの鍵となっています,。

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