半導体ニュース 20251219

主要ニュース

1. Intel、14A向けHigh-NA EUV検証を完了しNvidia等が採用検討
   Intelは、次世代プロセス「14A」向けに業界初となるHigh-NA EUV露光装置の検証を完了しました。これにより2Dトランジスタ技術の微細化を推進し、オングストローム世代での技術的リーダーシップ確立を目指します。さらに、NvidiaやAMDがこの14Aノードの利用を模索しているほか、AppleやBroadcomがIntelのパッケージング技術（EMIB）を検討中であるとも報じられています。
2. 中国、旧型部品でEUV試作機を構築し2028年の先端製造へ
   中国が旧型のASML製部品を組み合わせてEUV（極端紫外線）露光装置のプロトタイプを構築したと報じられました。これは2028年の先端半導体製造を目指す動きであり、西側諸国の輸出規制を無力化する可能性があります。この技術的進展は、世界のAIチップ供給網や安全保障戦略に再考を迫るものであり、独自のサプライチェーン構築に向けた中国の執念を示しています。
3. Micron、好決算で設備投資を200億ドルに増額し供給不足を警告
   Micronは決算で爆発的な好業績を発表し、設備投資を200億ドルに引き上げました。AI需要により2026年分のHBM供給は既に完売しており、HBM4の増産も2026年第2四半期に予定されています。同社はメモリ不足の背景にAI活用や設備投資の制約など3つの要因を挙げており、需給逼迫が早期には解消しないとの見通しを示しました。
4. Rapidus、2nm半導体設計を効率化するAIツール群を発表
   日本のRapidusは、2nm世代の最先端半導体開発を支援するため、AIを活用した設計ツール群の提供を開始しました。これにより設計プロセスの効率化と期間短縮を図り、顧客企業がより迅速に製品を開発できる環境を整えます。2027年の量産化に向けたエコシステム構築の一環であり、TSMCなどの先行企業に対抗するための技術基盤強化が進められています。
5. OpenAIやGoogle、Nvidia依存脱却へAWSチップやTPU活用拡大
   OpenAIがAWSの独自チップ採用を検討しているほか、GoogleやMetaもNvidiaへの依存脱却を目指してTPUの活用範囲を拡大しています。AIモデルの運用コスト削減と計算リソースの安定確保が目的であり、Nvidiaが支配するAIハードウェア市場において、大手テック企業が自社開発や代替チップへのシフトを加速させる「AIチップ戦争」の新たな局面です。
6. サムスン、Intelからチップセット向け8nmプロセスの注文を獲得
   サムスン電子のファウンドリ部門が、Intelから「900シリーズ」チップセットに関連する大規模な8nmプロセスの製造注文を獲得したと報じられました。自社製造（IDM）を主力とするIntelが、非中核的なロジック製品のアウトソーシングを進める中でサムスンが選定されました。これはサムスンにとって、稼働率向上と顧客基盤拡大に向けた重要な成果となります。
7. 本田技研工業、半導体不足で中国・日本の工場を一時停止
   本田技研工業（ホンダ）は、半導体不足の影響を受け、中国および日本の工場で生産を一時停止または減産すると報じられました。AIチップ市場が活況を呈する一方で、自動車向けなどの特定用途におけるサプライチェーンには依然として脆弱性が残っています。これは実体経済や製造業の生産計画に対し、半導体不足が引き続き直接的な打撃を与えている現状を浮き彫りにしました,。
8. TSMC、アリゾナ第2工場を加速し2027年に3nm生産開始へ
   TSMCは米国アリゾナ州の第2工場の建設を加速させており、2026年第3四半期に装置を導入し、2027年に3nmプロセスの生産を開始する計画です。当初の予定よりも進捗が順調であることを示唆しており、米国内での最先端半導体供給能力の確保に向けた動きが具体化しています。地政学的リスクへの対応と米国顧客への接近が背景にあります。
9. コスト増が2026年のスマホ出荷を圧迫、メモリ価格高騰が要因
   調査会社Counterpoint Researchは、メモリ価格の高騰とウェーハコストの上昇が、2026年のスマートフォン出荷台数に悪影響を及ぼすとの予測を発表しました。AI機能の実装に伴う部材コストの増加が最終製品価格を押し上げ、消費者の買い替え需要を冷え込ませる可能性があります。半導体市場の活況が、最終製品市場の成長を阻害するリスクが指摘されています。
10. サムスン、Nvidiaへ次世代LPCAMM2サンプル提供し競争激化
    サムスン電子は、次世代メモリモジュール規格「LPCAMM2」のソリューションをNvidiaにサンプル提供し、2026年初頭の量産体制確立を目指していると報じられました。これはAIノートPCやオンデバイスAI市場での主導権を握るための戦略的な動きであり、メモリ帯域幅と電力効率を向上させる新技術を巡る競争が激化しています。

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