半導体ニュース 20251213

主要ニュース

1. Rapidus、国内大手企業と銀行から大規模な資金支援を確保
   日本のRapidusは、2nm世代の半導体量産を目指すプロジェクトに対し、日本の大手銀行および企業から大規模な融資と新たな投資による支援を確保しました。この動きは、次世代半導体の国産化に向けた資金基盤を強固にするものであり、TSMCやSamsungなどの先行企業を追走するための製造拠点確立と技術開発が、国家的な支援体制のもとで加速することを示しています。
2. TSMC、AI需要対応で熊本第2工場の4nm転換を検討し建設一時停止
   TSMCは、熊本の第2工場（JASM）の建設作業を一時停止し、製造プロセスを当初の計画からAIチップ向けの4nmプロセスへアップグレードすることを検討していると報じられました。これは世界的なAI半導体需要の急増に対応するためであり、実現すれば日本国内で製造可能なチップの技術レベルが大幅に引き上げられ、日本の顧客向けの高度な供給能力が強化されます。
3. 米国主導のAI同盟「パックス・シリカ」発足、日韓など8カ国が参加
   米国は、AI技術の覇権維持と中国への牽制を目的として、日本や韓国など8カ国が参加するAI同盟「Pax Silica（パックス・シリカ）」を発足させました。この枠組みは、半導体の供給網確保からAIモデル開発に至るまでの協力を強化するもので、技術的な囲い込みと安全保障上の連携を深めることにより、世界のAI開発競争における西側諸国の優位性を固める狙いがあります。
4. 中国、史上最大規模となる700億ドルの半導体投資を検討
   中国政府は、米国の制裁に対抗して国内の半導体産業を強化するため、約700億ドル（約10兆円以上）規模という史上最大の投資を検討しています。HuaweiやCambriconなどが支援対象候補に挙がっており、NVIDIAなどの米国企業に対抗できる独自のエコシステム構築を目指し、国家主導で製造能力の自給自足と技術革新を強力に推進する構えです。
5. サムスン会長とマスク氏が会談、テスラ専用拠点を工場内に設置へ
   サムスンのイ・ジェヨン会長とテスラのイーロン・マスクCEOが会談し、米テキラー工場内にテスラ専用のワークスペースを提供することで合意したと報じられました。この「サムテ同盟」とも呼ばれる連携強化は、完全自動運転チップなどの製造において、サムスンがTSMCに対抗する主要なパートナーとしての地位を確立し、ビッグテックとの関係を深めていることを示しています。
6. Intel、制裁対象の中国関連企業の製造装置を14A向けにテスト
   Intelが、米国の制裁対象となっている中国関連企業の半導体製造装置（ウェットエッチング装置など）を、自社の次世代プロセス「14A」向けにテスト・評価していると報じられました。この動きは、コスト削減やサプライチェーン確保を目的としている可能性がありますが、政治的および国家安全保障上の懸念を引き起こす可能性があり、業界内で波紋を広げています。
7. サムスン、HBM4と次世代DRAMのため平沢工場の拡張を加速
   サムスン電子は、HBM4（第6世代高帯域幅メモリ）および1c nmプロセスDRAMの生産能力を増強するため、韓国・平沢（Pyeongtaek）工場の拡張を加速させています。AIデータセンターからの爆発的なメモリ需要に応えるため、SKハイニックスとのシェア争いが激化する中で、次世代メモリの供給体制を早期に整え、市場の主導権を確保する戦略です。
8. HuaweiとSMICのチップ、節目達成もTSMCの5nmには及ばず
   HuaweiとSMICが開発したチップが技術的な節目を達成したものの、依然としてTSMCの5nmプロセス技術には性能面で劣っているとの分析が報じられました。中国はEUV露光装置なしで先端プロセスの開発を進めていますが、歩留まりや効率性の課題が残っており、西側の最先端技術とのギャップを埋めるには、なお時間を要する現状が浮き彫りになっています。
9. Broadcom、AI需要急増でカスタムチップ事業倍増、Anthropicも顧客に
   Broadcomは記録的な決算を受け、AIチップ需要が今後も急増すると予測しました。同社のカスタムAIチップ（ASIC）事業は倍増しており、新たな「メガクライアント」としてAI企業のAnthropicが浮上しています。これは、ハイパースケーラーだけでなく、AIモデル開発企業も独自のハードウェア調達を拡大しており、AIインフラ市場の裾野が広がっていることを示しています。
10. Apple、2026年にカメラやSiriを強化したAIグラスを公開計画
    Appleが2026年に、カメラ機能やSiriのアップグレードを搭載した「AIグラス」の初公開を計画していると報じられました。これは、スマートフォンに次ぐ新たなプラットフォームとしてウェアラブルデバイス市場を開拓する動きであり、視覚情報とAIアシスタントを高度に融合させた、新しいコンシューマー体験の創出を目指すAppleの長期戦略の一環です。

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