半導体ニュース 20251211

主要ニュース

1. NVIDIA H200の中国輸出承認と地政学的競争
   トランプ大統領は、ファーウェイのAscendチップのブレークスルーに対抗する形で、Nvidia H200の中国向け輸出を条件付きで承認しました。この規制緩和はAI軍拡競争の構図を一新しますが、中国は国産チップを調達リストに追加するなど冷ややかな反応を示しています。
2. TSMC、CoWoS容量の半分以上をNVIDIAが予約
   TSMCは先進パッケージング技術であるCoWoSの容量を拡大しており、特にNvidiaが2026年から2027年にかけて、生産能力の半分以上を予約したことが報じられました。AI需要の急増を背景に、TSMCの月間売上は過去3番目に高い水準に達しています。
3. NANDフラッシュの在庫不足リスクがPC市場を直撃
   NANDフラッシュメモリ市場は在庫不足のリスクに直面しており、「不作の年」が迫っていると報告されています。この供給逼迫を受けて、PCメーカー（OEM）はSSDの仕様を引き下げることを余儀なくされています。
4. 台湾の半導体R&D計画が予算停滞で脅かされる
   台湾政府において予算の停滞が発生しており、これが2026年度の半導体および技術の研究開発（R&D）計画を脅かしていると報じられました。技術のグローバル競争が激化する中で、台湾の長期的な技術力維持に影響を及ぼす可能性があります。
5. IntelとMicrosoftがインドの半導体推進にコミット
   MicrosoftとIntelは、インドの首相との会談で、同国における半導体製造と労働力強化に向けた主要なコミットメントを表明しました。Intelは、インドの半導体製造の野望を促進するためにTataグループとの戦略的提携を結んでいます。
6. NVIDIA、1.6億ドルのGPU密輸摘発を受けチップ追跡技術を導入
   米国で1億6000万米ドル相当のGPU密輸組織が摘発されたことを受け、NVIDIAは不正流通に対処するため、自社のチップに位置確認技術（チップ追跡技術）を試用していると報じられました,。これは、AIチップの供給制約が闇市場での不正取引を引き起こしている状況を示しています。
7. Qualcomm、RISC-V CPUの専門知識強化のためVentanaを買収
   Qualcommは、RISC-V CPU開発の専門知識を深めるため、Ventana Micro Systemsを買収しました。この戦略的な動きは、Qualcommがカスタムシリコン戦略を強化し、高性能コンピューティングおよびエッジAI市場における競争力を高めることを目的としています。
8. 先進パッケージング機器の需要が2026年下半期まで見通し
   半導体製造装置を提供するScientech社は、11ヶ月で100億台湾ドルを超える売上を達成し、受注状況の可視性が2026年下半期まで及んでいると報告しました。これは、AIチップの超大型パッケージング需要が、関連する製造機器市場を長期的に牽引していることを示します。
9. 光電融合技術の難所克服に京セラや東レが注力
   京セラや東レなどの日本企業は、AIデータセンターの高速化に不可欠な光電融合技術において、光と電気の接合を高速かつ正確に行うという難所を克服するための研究開発を進めています。富士通のAIサーバー用MPU「モナカ」も2027年に3D構造を採用する予定です。
10. Google TPUがNvidiaに挑むもGPUエコシステムは依然優位
    GoogleのTPU（Tensor Processing Unit）がNvidiaのAI市場でのリードに挑戦していますが、現在のところ、NvidiaのGPUエコシステムが依然として市場を支配しているという分析が示されました。一方、AMDもPensando Pollara 400 AI対応NICを搭載したサーバープラットフォームを発表し、競争に参加しています。

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