半導体ニュース 20251114

主要ニュース

1. NVIDIAのAIサーバー製造モデル変更：ODM依存からの脱却 NVIDIAは、AIサーバーの組み立てプロセスを特定のメーカーと連携して中央集約する新たな戦略を採用し、従来のODM（相手先ブランドによる設計・製造）出荷モデルを変更します。この戦略により、NVIDIAは社内サーバー生産への移行を進めており、OEMやODMメーカーの役割は二次的なものになる見込みです。この動きは、AIインフラストラクチャにおけるサプライチェーンに対するNVIDIAの直接的な支配力を強化することを目的としています。
2. NAND大手、価格急騰にもかかわらず生産量削減を継続し、2026年に20〜30%の値上げを検討 NANDフラッシュメモリの大手企業は、市場での価格が急騰している状況にも関わらず、2025年下半期に生産量の削減を行うと報じられています。特にSamsungは、2026年にNAND価格を20%から30%引き上げる可能性を検討しており、メモリ市場における厳しい供給逼迫と、それによる価格高騰の傾向が長期化することが示されています。
3. HBM4E、2027年市場の40%を占める見通し：SamsungとSK hynixが開発を加速 次世代の高速メモリであるHBM4Eは、2027年のHBM市場シェアの約40%に達すると予測されています。SamsungとSK hynixの両社は、このHBM4Eの開発を2026年上半期中に完了させることを目指していると報じられており、AIおよびHPC（ハイパフォーマンスコンピューティング）分野における次世代メモリ競争が激化しています。
4. SMICの生産能力がHuaweiに再配分：中国の半導体不足と政府の介入 中国国内で半導体チップの不足が深刻化する中、北京政府が介入し、ファウンドリ大手SMICの生産能力の一部がHuaweiに再配分されていると報じられました。この措置は、米国の制裁により高性能チップの調達が困難なHuaweiを優先し、中国が戦略的に半導体供給チェーンの自給自足を強化しようとする動きを示しています。
5. サムスン、2027年までのファウンドリ部門黒字化を目指す：テスラの注文と米国工場増強を鍵に サムスン電子は、ファウンドリ（半導体受託製造）部門を2027年までに黒字化させるという目標を掲げています。この目標達成の重要な要素として、テスラからの注文獲得と、米国工場の生産能力増強計画が挙げられており、サムスンがファウンドリ事業での競争力を高めるために大規模な投資を進めています。
6. マイクロソフト、OpenAIのIPライセンス取得でAIチップ開発を加速 マイクロソフトは、主要パートナーであるOpenAIの知的財産（IP）ライセンスを取得することで、自社独自のAIチップ開発を加速させています。この戦略は、AI市場における競争優位性を確保しつつ、NVIDIAなどの外部サプライヤーへの依存度を軽減し、自律的なAIインフラ構築を推し進めることを意図しています。
7. Infineon、急増するデータセンター需要を背景にAIパワー分野で2026年度に15億ユーロの収益を目標 Infineonは、急増するデータセンター、特にAIサーバー向けの電力管理ソリューションに注力し、2026年度にAIパワー関連事業で15億ユーロの収益達成を目指すと発表しました。同社は為替の逆風があるものの、AI需要によって牽引される半導体市場の成長を主要な収益機会と捉えています。
8. バイドゥ、AIチップ「昆侖」ロードマップを発表：M100およびM300が2026～2027年に登場 中国の検索大手バイドゥ（Baidu）は、自社開発のAIチップ「昆侖（Kunlun）」シリーズのロードマップを公開しました。これには、2026年および2027年に登場予定のM100およびM300 AIプロセッサが含まれており、中国がAI技術の国産化および自給体制の構築を強力に推進していることが示されています。
9. GlobalFoundries、堅調な自動車およびデータセンター需要により2025年第4四半期の見通しを上方修正 ファウンドリ企業のGlobalFoundries（GF）は、自動車向け半導体とデータセンター向け半導体の需要が堅調であることから、2025年第4四半期の業績見通しを上方修正しました。これは、AIブーム以外のセクターでも、GFが注力する「エッセンシャル・テクノロジー」の需要が安定的に成長していることを裏付けています。
10. オランダ政府代表団が中国を訪問し、安世半導体を巡る問題を協議 中国商務部が、安世半導体（Nexperia）の問題に関してオランダ側に対し実質的な解決策の提示を促した後、オランダ政府代表団が来週初めに中国を訪れ、この問題の解決に向けた協議を行うと報じられました。中国側は、オランダに対し誠意を示すよう表明しており、地政学的な半導体貿易問題の行方が注目されています。

ニュース一覧