半導体ニュース 20251107

主要ニュース

1. 中国、国営データセンターでNvidia使用を禁止 中国は、国営データセンターに対し、Nvidia製チップの使用を禁止し、代わりに国内で製造されたAIチップの採用を義務付ける方針を打ち出しました。この政策は、中国がAI分野における技術的自立を加速させ、特に米国の輸出規制に対抗し、サプライチェーンのローカライズを図る強い意志を示すものです。Nvidiaのジェンセン・ファンCEOは、このような先端チップの輸出規制によって、中国が最終的にAI競争でアメリカを凌駕するだろうと警鐘を鳴らしています。
2. Arm、AI需要急増で記録的な業績と予測上方修正 Armは、AIおよびクラウドコンピューティングの需要が急増したことを背景に、記録的な四半期業績を達成し、財務予測を上方修正しました。同社の2026年度第2四半期の売上高は11億4000万ドルとなり、これで3四半期連続で10億ドルを突破しました。また、Armは、データセンターにおいて深刻化している「電力ボトルネック」に対処するため、AI効率の高さが重要であると強調しています。
3. サムスンのHBM4、Nvidia認証へ向け歩留まりが急進 サムスンは、次世代高帯域幅メモリであるHBM4の製造における歩留まりを大幅に向上させており、Nvidiaの認証獲得に向けて急速な進展を見せています。これにより、AIチップのコア部品であるHBM市場において、優位性を維持しているSKハイニックスとの競争が激化しています。HBM4の価格は高騰傾向にあり、SKハイニックスはNvidiaへの供給条件について詳細を明らかにしていない状況です。
4. Nexperia、紛争を理由に中国製チップの品質保証を拒否 オランダの半導体企業Nexperiaは、不正行為や支払いを巡る紛争が続いていることを受け、中国工場で製造されたチップの品質保証を行うことを拒否する姿勢を示しました。これに対し、中国商務部は、この措置が世界の半導体生産および供給チェーンに混乱を引き起こしており、オランダ側が全ての責任を負うべきであると強く非難しています。
5. DDR4価格急騰、構造的なメモリ供給不足が2027年まで続く見込み AI需要によるDRAM市場の供給逼迫が続き、DDR4メモリの価格が急騰しています。中国のメモリ市場では、10月に16GB DDR4モジュールが160%という記録的な価格上昇を報告しました。この構造的な供給不足は2027年まで続くと予測されており、Winbondはこれに対応するためDRAMビット供給量を倍増させる計画を発表しています。
6. Qualcomm、低消費電力技術を武器にAIデータセンター市場へ本格参入 Qualcommは、従来のスマートフォン市場を超え、低消費電力と高い性能を両立させる技術的強みを活かして、AIデータセンターの競争に本格的に乗り出しています。また、QualcommはMemories.aiとの協業を通じて、デバイス上でのAI視覚記憶を実現する大規模視覚記憶モデル2.0を導入しており、エッジAIの応用を加速させています。
7. 日本の2nmチップ向けフォトレジスト投資を強化 日本は、半導体の最先端プロセスである2nm EUVリソグラフィに対応するため、重要な材料であるフォトレジストおよびMOR（Metal Oxide Resist）の生産能力への投資を強化しています。東京応化工業やJSRといった日本の化学メーカーがこの動きを主導しており、半導体の微細化競争におけるサプライチェーンの核心的役割を維持しようとしています。
8. ASML、先進パッケージング向け装置で中国戦略を再構築 ASMLは、先進パッケージングに特化した露光装置「TWINSCAN XT:260」を初めて公開し、これにより中国市場への戦略を再構築しています。これは、地政学的制約の中で、ASMLが最先端ロジック製造以外の分野、特に高成長が見込まれるパッケージング市場において、中国の需要に応える新たなビジネス機会を確立しようとする動きを示しています。
9. AMD、前年同期比36%増の売上高で四半期最高額を更新 AMDは、2025年第3四半期の売上高が92億4600万ドルに達し、前年同期比で36%という大幅な成長を遂げ、四半期別の過去最高額を更新しました。この業績は、データセンターおよびAI分野での同社の強力な競争力を示しており、引き続き市場での存在感を高めています。
10. NTTの光チップレット、光電融合技術で日本の強みを発揮 NTTは、データセンターの電力問題を解決する鍵となる光電融合技術（エレクトロ・オプティクス・インテグレーション）において、光チップレットを用いた進展を発表しました。これは、AI時代におけるデータ転送の高速化と低消費電力化を目指す日本の重要な技術的強みであり、半導体製造と連携することで次世代コンピューティングを支えることが期待されています。

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