半導体ニュース 20251021

主要ニュース

1. メモリ容量不足が2026年のサプライチェーン争奪戦を引き起こし、混乱リスクを高める メモリチップ（DRAM、NANDフラッシュ）の容量不足が深刻化し、2026年にはサプライチェーンの争奪戦が発生し、市場の混乱リスクが高まると予測されています。Micronは、HBMのような高性能メモリへの需要増加を背景に、DRAM市場の逼迫が2026年を通じて悪化し続けると警告しています。一方、Winbondの会長は、メモリの需給バランスは2〜3年で再調整されるだろうとの見解を示しており、市場の行方には複数の見方があります。
2. TSMC、米国の制裁後、中国からの受注を強化；Huaweiの代理Sophgoを締め出し、 Bitmainは半減 TSMCは米国の制裁措置が強化されたことを受け、中国からの受注管理を厳格化しました。特に、Huaweiの代理業者とされるSophgoへの受注を打ち切り、マイニングチップメーカーであるBitmainへの受注も半減させました。この動きは、米中間の地政学的緊張が高まる中で、世界最大のファウンドリ企業が輸出規制を遵守し、顧客ポートフォリオを調整していることを示しています。
3. Nexperiaの混乱が深まる、オランダ本社と中国法人が経営権を巡って対立 オランダのチップメーカーNexperiaでは、オランダ本社と中国法人の間で経営権を巡る対立が深まっており、混乱が拡大しています。オランダ政府はNexperiaを差し押さえるなど介入を強めています。また、Nexperiaは、解任されたCEOによる不当な告発（未払い給与や中国法人の独立運営の主張）に対し、虚偽であると強く非難しました。これは、半導体サプライチェーンにおける国際的な企業統治と国家の関与の問題を浮き彫りにしています。
4. 大規模なAWS障害によりインターネットがダウン Amazon Web Services（AWS）で大規模な障害が発生し、インターネットが広範囲でダウンする事態となりました。Roblox、Fortnite、Zoom、Snapchatなど、多くのグローバルサービスが機能不全に陥り、インターネットの半分がダウンしたと報じられています。サービスはその後復旧に向かっていますが、この障害は、クラウドインフラストラクチャへの依存度が高まる中、国内企業を含む世界中のサービスにとっての脆弱性を露呈させました。
5. インテル、「18A」で造る初のMPU 量産25年内に開始へ インテルは、次世代の先端プロセス技術である「18A」を用いて製造する最初のMPU（マイクロプロセッサユニット）の量産を、2025年内に開始する計画です。この動きは、インテルが最先端の製造能力を取り戻し、ファウンドリ競争でTSMCなどに対抗する強い意思を示すものです。また、富士通は2029年の富岳後継機向けに1.4nm CPUの製造をRapidusに外注することを検討しており、先端プロセス開発競争が激化しています。
6. サムスン、ライバルとの差を埋めるため、10月下旬のテックフェアでHBM4を発表か サムスンは、高性能メモリ市場のライバル企業との差を埋めるため、10月下旬のテックフェアで次世代のHBM4を発表するとされています。HBMはAI/HPC分野で不可欠な技術であり、市場競争は激化しています。競合のMicronは、台湾の台中工場でのHBM体制を強化するため、サムスンやSK Hynixから人材を引き抜いていると報じられており、人材獲得競争も過熱しています。
7. 韓国、中国のレアアース取り締まりを受けタスクフォースを編成 中国によるレアアース（希土類）の取り締まり（輸出規制強化）に対抗するため、韓国政府は国内サプライチェーンの脆弱性緩和を目的としたタスクフォースを編成しました。レアアースは半導体やハイテク機器の製造に不可欠な戦略物資であり、供給源の多様化と安定確保が急務となっています。米国でも、米鉄鋼大手のクリフスがレアアース生産に向けた調査を開始しており、国際的に資源の安全保障への関心が高まっています。
8. TSMC、1.4nm台中工場を11月5日に起工へ TSMCは、次世代の1.4nmプロセスノードを製造する台中工場について、11月5日に起工する予定であると報じられています。この最先端工場での量産開始は2028年後半を予定しており、AIおよびHPC分野における需要に対応するための、TSMCの積極的な生産能力拡大計画の一環です。
9. Alibaba Cloud、新しいプーリングシステムによりNvidia AI GPUの使用量を82%削減したと発表 Alibaba Cloudは、AI GPUの使用効率を大幅に向上させる新しいプーリングシステムを導入し、Nvidia AI GPUの使用量を最大82%削減したと発表しました。これは、大規模なAIモデルのトレーニングと運用におけるコストとエネルギー効率を改善する重要な技術革新です。この効率化への動きは、IBMとGroqがエンタープライズAIの展開加速のために提携する など、AIインフラにおける効率化と普及に向けた潮流を反映しています。
10. Samsung、現代自動車との間で8nm自動車チップの開発を受注 サムスンは、現代自動車との間で8nmプロセスの車載用チップの開発を受注しました。この受注は、サムスンが成長著しい自動車半導体市場においてファウンドリ事業の強化を図っていることを示しています。また、サムスンがAppleのCIS（CMOSイメージセンサー）市場への進出を支援するため、Doosan Tesnaが1億2000万米ドルをテスト設備に投資するなど、同社の非メモリ分野での競争力を高める動きが目立ちます。

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