半導体ニュース 20251008

主要ニュース

1. AMDとOpenAIの数十億ドル規模の提携がAI競争を加速 AMDとOpenAIは数十億ドル規模の戦略的取引を発表しました。この提携は、NvidiaとIntelの連携に対するAMDの回答であり、AMDとOpenAIの双方に大きな利益をもたらすと分析されています。特にOpenAIは、インフラ構築に巨額の投資を賭けている状況です。この取引は、TSMCや台湾のODM業者にも好影響を与えると見られています。
2. TSMC、2nmプロセス試作を前倒し、1.4nmも評価開始 TSMCは次世代チップ生産計画を加速しており、高雄工場で2nmプロセスの試作生産を前倒しで開始しました。さらに、最先端のA14 (1.4nm) プロセスも台湾で2028年の導入を目指して評価中と報じられています。2nm技術は来年にもアリゾナ工場に導入される可能性があります。TSMCはFab 22で初の2nmシリコンのエッチングを終えています。
3. NVIDIAとIntelのx86 CPU取引がPCブランドに運用上の懸念 NVIDIAとIntelの間でx86 CPUに関する提携の可能性が浮上していますが、これに対しPCブランドの間で懸念が高まっています。AcerのCEOは、この協力関係がPCメーカーにとって**「運用上の頭痛の種（Operational Headaches）」**を引き起こす可能性があると強調しています。この動きは、半導体業界の勢力図を大きく変える要因の一つとして注目されています。
4. アムコー、アリゾナ州に高度パッケージング拠点を着工し米国サプライチェーンを強化 半導体パッケージング大手のアムコー（Amkor）は、米国内の半導体サプライチェーンにおける重要な空白を埋めるため、アリゾナ州に高度パッケージング施設の建設に着工しました。これは、米国が国内でのチップ生産（オンショアリング）を加速する動きと連動しており、製造の後工程における米国拠点の重要性を高めています。
5. AI需要の逼迫によりメモリチップとPCB材料価格が高騰 AIインフラへの大規模な投資と需要の増加により、半導体市場ではメモリチップの価格が高騰しています。また、供給逼迫の中でPCB（プリント基板）の材料価格も押し上げられています。台湾のPCBメーカーは2025年上半期に記録的な生産量を達成し、年間12%の成長が予測されており、AIブームが広範なサプライチェーンに影響を与えています。
6. 日本、10月9日からデュアルユース技術の輸出規制を拡大 日本政府は、軍事転用の恐れがあるデュアルユース技術の輸出規制を10月9日から拡大適用する予定です。規制対象には、工作機械や半導体製造関連の品目が含まれており、国際的な安全保障上の懸念に対応するための重要な貿易管理措置となります。
7. TSMC、台湾でインフラ不足（5欠問題）に直面し成長の足かせに 世界的な半導体製造をリードするTSMCが、その主要な製造拠点である台湾国内において、**水、電力、人材などの「5欠問題」**に直面していることが指摘されています。このインフラ不足は、同社の最先端チップ生産と今後の成長にとって長期的な足かせとなる可能性が懸念されています。
8. NVIDIAと富士通がAI基盤構築で協業 NVIDIAと富士通は、AI基盤の構築に向けて協業することを発表しました。この協力は、ハードウェアとしての半導体だけでなく、ソフトウェアも融合させた形でのAIインフラ提供を目指すものであり、AIエコシステムにおける技術革新と市場拡大を推進する戦略です。
9. テキサス・インスツルメンツ、古い150mm施設の閉鎖に伴い人員削減を計画 テキサス・インスツルメンツ（TI）は、古い150mmチップ施設の閉鎖に伴い、今年12月に米国で約400人の人員削減を計画しています。テキサス州北部の施設では183人の削減が見込まれており、これは半導体企業が旧世代の製造ラインから最新技術へと集中を進める、業界構造変化の一例です。
10. Alibabaが新たなAIチップを発表しNvidiaに直接挑戦 中国のテクノロジー大手Alibaba（アリババ）が、市場を支配するNvidiaに対して直接的な挑戦状を叩きつける形で、新たなAIチップを発表しました。これは、巨大なAIインフラを持つハイパースケーラーが、コスト効率の向上と自社のニーズへの最適化を図るため、内部でのカスタムAIチップ開発を強化しているグローバルなトレンドを示しています。

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