半導体ニュース 20250823

主要ニュース

1. 米政府がインテルに大規模出資、ファウンドリ事業売却に条件も 米国政府はインテル株取得に89億ドルを承認し、補助金代わりに9.9%の株式を取得します。チップメーカーがファウンドリ事業の49%以上を売却した場合の対策も策定されました。連邦準備制度理事会議長の利下げ示唆後、インテル株は急騰し、半導体セクター全体の評価上昇を牽引しました。ソフトバンクもインテルに20億ドルを投資しています。
2. NVIDIAの次世代AIアーキテクチャ「Rubin」が試作生産開始、中国向けH20生産停止の動き NVIDIAのジェンセン・ファンCEOは、同社の**「Rubin」プラットフォームがTSMCで試作生産に入ったことを確認しました。一方で、中国政府がNVIDIAのH20 GPUに敵対的になったことを受け、NVIDIAはH20 GPUの生産を停止した**と報じられています。NVIDIAは中国市場向けAI半導体の世代交代を模索しています。
3. サムスンの2nmチップ技術強化とオンデバイスAIチップ開発 サムスンはHyper Cell技術により、2nmチップの競争力を強化しています。DEEPXはサムスンファウンドリと2nmプロセス契約を締結し、**世界初のオンデバイス生成AIチップ「DX-M2」**の開発に着手しました。Xiaomiも次世代XRing O2チップで2nm以上の技術を目指しています。
4. GoogleのTensor G5、TSMCの最新3nm「N3P」プロセスを先行採用 GoogleのTensor G5はTSMCの最新3nm「N3P」プロセスを採用すると報じられており、GoogleがAppleに先駆けてこのリソグラフィで初のシリコンチップを発表することになります。
5. AppleがSiri改良に向けGoogle Gemini AIモデル導入を協議 Appleは、改良版SiriにGoogleのGemini AIモデルを導入するため協議中であり、これによりGoogleはOpenAIとAnthropicに次ぐ3社目の提携相手となる見込みです。
6. TSMCの事業戦略転換：GaN事業撤退とCHIPS法助成金見直し TSMCはGaN事業からの撤退を決定し、これが世界のパワーおよびRF市場に波紋を広げると予測されています。また、TSMCは米国のCHIPS法に基づく助成金の返還を検討しており、トランプ政権の「株式割当補助」モデルの取引価値に疑問を呈していると報じられています。TSMCはレガシーファブからの撤退も決定しています。
7. ヤゲオとミネベアミツミによる芝浦電子争奪戦の終結 ヤゲオが芝浦電子へのオファーを再度引き上げ、ミネベアミツミに挑戦する動きがありましたが、その後ミネベアミツミのCEOはTOB価格競争から手を引くことを表明し、芝浦電子争奪戦に終止符が打たれました。
8. インテルがガラス基板技術のライセンス供与を開始 インテルは半導体用ガラス基板のライセンス供与を開始すると報じられており、サムスンやAbsolicsに潜在的な恩恵をもたらす可能性があります。インテルは自社生産から外部委託へとシフトし、ガラス基板技術を放棄せず外部にライセンス供与する方針を示しています。
9. 台湾の半導体・AI電力需要対応に向けた原発再稼働住民投票 台湾では8月23日に原発再稼働の住民投票が行われる予定です。これは、半導体およびAI産業の増大する電力需要をどのように賄うかという、エネルギー供給における重要な課題に対応するものです。
10. AI投資の成果に対する懸念と「AIバブル論」の拡大 調査によると、企業の95%がAI投資の成果をまだ実感できていないと報告しており、これにより「AIバブル論」が広がる可能性が指摘されています。これはAI分野への大規模な投資に対する市場の冷静な見方を示しています。

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