半導体ニュース 20250516

主要ニュース

1. TSMCが2025年に8つの新工場と1つの先進パッケージング工場を含む大規模な拡張計画を加速していると報じられています。これは、世界的な半導体需要、特にAIチップの需要増に対応するための世界最大のファウンドリによる製造能力増強を示す極めて重要な動きです。
2. 米国と中国間の技術覇権争いおよび関連する政策・企業の動きが多方面で報じられています。
   • 特に、米国がUAEに対して年間数百万枚のNVIDIA製AIチップの輸出を承認する見込みである一方、米国の議員がNVIDIAのAIチップの中国への流出を防ぐためのチップセキュリティ法案を提出したこと、そしてトランプ政権下の関税による自動車や電機など広範な産業への影響への懸念が示されています。
3. Huaweiが中国各地に11の「隠れた」製造施設を持つなど、IDM（垂直統合型デバイスメーカー）としての野心を静かに追求していると報じられています。これは、中国が半導体自給率向上を目指す国家戦略の一環として、特定の企業が国内での設計から製造までを強化している現状を示すものです。
4. インドが半導体製造分野で大きな動きを見せています。具体的には、鴻海とHCLによる合弁半導体工場プロジェクトがインド政府に承認され、約370.6億ルピーの総投資が見込まれていること、およびRenesasがインドでのオフィス開設やスタートアップ・学術提携を通じてプレゼンスを拡大していることが報じられています。これは、半導体サプライチェーンの地域分散化におけるインドの台頭を示す重要ニュースです。
5. メモリ市場の動向も注目されています。Samsungがメモリ用フォトマスク生産の外部委託を検討しているとの報道は、主要メモリメーカーのサプライチェーン戦略の変化を示唆します。また、キオクシアホールディングスが2025年3月期に純利益2723億円を計上する見込みであるものの、足元は停滞しているとの報道は、NANDフラッシュ市場の現状を反映しています。
6. AIインフラへの大規模な投資が世界各地で進んでいます。サウジアラビアとNVIDIAがAI工場の建設を進めること、およびUAEにおける大規模なAIキャンパスの新設に米国大統領が関与していること は、AI時代を見据えた国家レベルでのインフラ整備の加速を示しています。
7. 中国国内の半導体産業の現状と課題も複数のニュースで示されています。SMICやHua Hongといった中国のファウンドリが米国のIC設計企業からの更なる注文を求めているという報道は、依然として国際的な顧客獲得に注力していることを示唆します。また、熱電半導体企業が資金調達を完了するなど、国内での特定分野の国産化代替への取り組みも進んでいます。リソグラフィー装置開発の現状も議論されています。
8. 半導体の後工程や先進パッケージング技術の進化が注目されています。ASEが6インチファウンドリ事業再編とAIチップ需要対応のためAMPIを買収する計画 や、力積電（PSMC）が複数の企業と協力して3D AI半導体エコシステムを構築する取り組み、さらに東北大学などが後工程の自動化に取り組む動き などは、ムーアの法則の限界を超えて性能を向上させるための重要な方向性を示しています。
9. 日本の主要企業の業績と半導体関連戦略に関するニュースです。JDIが782億円の純損失を計上し、希望退職を含む事業再編を進めること は、ディスプレイ産業の厳しい状況を示します。一方、TDKはAI関連の売上高を2030年度までに6000億円に増やす目標を掲げ、Intelはファウンドリ部門の収支均衡を2027年に予測している など、今後の成長分野や戦略に関する情報も報じられています。
10. 次世代コンピューティングおよびモバイルデバイス向け技術に関するニュースです。Appleの将来のiPhoneがHBMやTSV技術、ピュアシリコンバッテリーを採用する可能性、AMDやNVIDIAが次世代GPUやプラットフォームを準備していること は、高性能化が進むコンシューマーデバイスやAI処理能力の将来像を示しています。

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