半導体ニュース 20251216

主要ニュース

1. サムスン、2nmチップ製造契約でAMDに接近、2026年初頭に決定か
   サムスン電子は、ファウンドリ事業の回復を賭けて、AMDに対し2nmプロセスの製造契約を働きかけていると報じられました。AMDによる最終決定は2026年初頭に行われる可能性があります。サムスンは、TSMCに対抗するために大口顧客の獲得が急務であり、この契約が成立すれば、最先端プロセスにおける同社の競争力を大きく後押しすることになります。
2. サムスン会長とイーロン・マスク氏、テキサス工場で会談
   サムスン電子のイ・ジェヨン会長とテスラのイーロン・マスクCEOが、テキサス州のサムスン半導体工場で会談したと報じられました。チップ生産量の増加が差し迫る中での会合であり、テスラの自動運転チップなどの製造に関する協力関係（サムテ同盟）の強化が議論されたと見られます。これは、AIおよび自動車向け半導体分野での両社の戦略的連携を象徴する動きです。
3. SKハイニックス、HBM4でサムスンに3～4ヶ月先行しサンプル供給開始
   SKハイニックスは、次世代メモリHBM4の開発において競合のサムスン電子に対し3～4ヶ月先行しており、すでに顧客への有料サンプルの供給を開始したと報じられました。同社はHBM4の製造において、ASMPT社のTCボンダーを採用するなど技術的な布石を打っており、AI市場で不可欠な広帯域メモリ分野でのリーダーシップを維持しようとしています。
4. 韓国、半導体産業に官民で700兆ウォン規模の投資を計画
   韓国政府は、半導体産業の競争力強化を目指し、官民合わせて700兆ウォン規模の投資を行う計画を立てています。特にファブレス（設計）企業の育成に注力し、官民共同のファウンドリ設立も計画に含まれています。これは、メモリ分野での優位性を維持しつつ、システム半導体分野でも世界的な地位を確立するための国家的な大規模プロジェクトです。
5. 世界半導体売上高、2025年10月に700億ドルを突破
   2025年10月の世界半導体売上高が、700億ドルを突破したことが明らかになりました。AI関連需要が引き続き市場を牽引しており、データセンター向けのGPUやメモリの売上が好調です。一部の予測では2025年の通年売上が8000億ドルを超えるとされており、半導体市場がスーパーサイクルに入っていることを裏付ける記録的な数値となっています,。
6. NVIDIA、中国需要急増を受けH200チップの生産拡大を模索
   NVIDIAは、中国市場での需要急増に対応するため、AIチップ「H200」の生産拡大を検討していると報じられました。米国の輸出規制という課題はあるものの、中国市場は依然として巨大であり、NVIDIAは規制に準拠しつつ供給能力を高める方法を模索しています。一方で、中国側が米国の期待よりも購入を控える可能性についての分析もなされています,。
7. STマイクロ、2027年までにSpaceXへ100億個のチップ供給か
   STマイクロエレクトロニクスが、イーロン・マスク氏率いるSpaceXに対し、2027年までに100億個ものチップを納入する可能性があると報じられました。これは宇宙産業および衛星通信ネットワーク（Starlinkなど）における半導体需要の爆発的な増加を示唆しており、航空宇宙分野が半導体メーカーにとって新たな巨大市場となりつつあることを示しています。
8. メモリ価格高騰でDellが商用PCを最大30%値上げへ
   Dellは、メモリ価格の高騰を受けて、12月17日から商用PCの価格を10%から30%引き上げる計画であると報じられました。AIブームによるDRAMおよびNANDの需要増が部品コストを押し上げており、その影響が最終製品の価格転嫁という形でハードウェアメーカーや法人顧客に直接的な打撃を与え始めている現状が浮き彫りになりました。
9. HDD価格が過去8四半期で最大の上昇、中米で需要急増
   HDD（ハードディスクドライブ）の価格が、過去8四半期で最大の上昇率を記録しました。これは中国および米国市場での需要急増によるもので、供給不足への懸念も高まっています。AIデータセンターにおける大容量ストレージ需要の回帰や、在庫調整の終了が背景にあり、SSDだけでなくHDD市場にも活況が戻ってきていることを示しています,。
10. キオクシア、3D DRAM向け酸化物半導体トランジスタを開発
    キオクシアは、IEDM 2025において、高積層化が可能な3D DRAM向けの酸化物半導体チャネルトランジスタの開発成果を報告しました。微細化の限界が近づくDRAMの容量を飛躍的に向上させる技術として期待されており、NANDフラッシュだけでなく、次世代メモリ技術においてもキオクシアが重要な研究開発を進めていることを示しています。

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