半導体ニュース 20251104

主要ニュース

1. TSMC、2026年開始の先進チップに対する4年間の価格引き上げを発表 TSMCは2026年から先進チップに対して4年間の価格引き上げを予定している。また、2026年のサブ5nmプロセスについては3〜5%の値上げを警告しており、この価格改定が成熟ノードを含む半導体製造コスト全体に波及効果をもたらすと予想されている。
2. AmazonとOpenAI、NVIDIA AIサーバーホスティングで380億ドルの大規模契約 AmazonはOpenAIのNVIDIA GB200/GB300 AIサーバーをホストするために、380億ドル（約5.8兆円）の大規模契約を締結した。これは、AI需要の急増に対応するための動きであり、巨額のAIインフラ投資が続く中、市場の拡大を明確に示している。
3. NVIDIA、AI戦略強化のため韓国連携を加速し、半導体供給を5倍に増加 NVIDIAのジェンセン・ファンCEOはAI戦略強化のために韓国で「1兆ドルの饗宴」を開き、SamsungおよびSK HynixとのAIメモリ技術開発における提携を拡大した。さらに、NVIDIAは韓国向けの半導体供給を5倍に増加させる計画であり、この「ジェンセン・ファン効果」は韓国のKOSPI市場にも影響を与えている。
4. DRAM市場の混乱と価格高騰：サムスンが契約を停止しスポット価格が3倍に AI需要が供給能力を圧倒し、メモリチップの不足が悪化している。Samsungはスポット価格が3倍に急騰する中でDDR5契約価格の設定を11月中旬に延期した。また、サムスンがほぼ全ての契約を停止したと報じられ、DRAM価格の見積もりが月例に移行している。
5. Intel、次世代プロセス「18A」の歩留まりが健全と発表し復権を目指す インテルは次世代プロセス「18A」の新工場に関する情報を公開し、復権に向けて「歩留まりは健全」であると示した。また、同社は製造戦略の一環として、組み立てとテストのプロセスをベトナムに移管する動きも進めている。
6. 世界の半導体売上高、第2四半期から第3四半期にかけて15.8%の大幅増加 世界の半導体売上高は、2025年第2四半期から第3四半期にかけて15.8%増加し、市場が力強く回復していることが明らかになった。半導体業界の第3四半期決算では、利益回復が進行しているが、同時に構造的な分化が激化していることも報告されている。
7. 日本の材料メーカーが2nmチップ時代に向け生産体制を強化 日本の材料メーカーは、次世代の2nmチップの製造に対応するため生産体制の規模を拡大している。この動きは、TSMCやSamsungが2nmチップの生産を進める中で、微細化競争における重要なサプライチェーンプレイヤーとしての日本の地位強化を示している。
8. AMD Zen 5 CPUのRDSEEDバグが暗号鍵生成にセキュリティ上の脅威 AMDの次世代CPU「Zen 5」に搭載されているRDSEED機能のバグが、暗号鍵の生成プロセスに脅威をもたらす可能性があると報告された。また、AMDは別の問題として、Adeiaから特許侵害訴訟を提起されており、技術と法務の両面で注目されている。
9. クラウドサービスプロバイダー（CSPs）によるASIC推進がIC設計者の競争を激化 クラウドサービスプロバイダー（CSPs）が、自社で使用するASIC（特定用途向け集積回路）の開発と推進を強化している。このCSPsの動きは、既存のIC設計者間の競争を激化させる要因となり、特にIC設計業界における利益率に圧力をかけている。
10. AI自動化の業務への浸透は限定的、実際の解決率は2.5%に留まる AIによる自動化が業務の現場にもたらす「恐怖」や期待は誇張されており、実際にはAIが業務を解決できている割合はわずか2.5%に留まっているという調査結果が示された。これは、AI技術の実際の導入と効果の間には、まだ大きなギャップがあることを示唆している。

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