半導体ニュース 20251124

主要ニュース

1. SKハイニックス、2026年に1c DRAM生産能力を8倍に増強へ SKハイニックスは、2026年に次世代メモリである1c DRAMの生産能力を現在の8倍にまで大幅に増強する計画があると報じられました 。これは、AI技術の進展により高性能なHBM4（High Bandwidth Memory 4）など先進メモリに対する需要が急増していることに対応し、DRAM市場における同社の競争力と供給能力を強化するための戦略的な動きと見られています 。
2. 日本政府、ラピダスに11兆円の追加投資を決定 日本は、激化する国家間の半導体主導権競争に対応するため、次世代半導体の国産化を目指すラピダスに対し、新たに11兆円の巨額の追加投資を行うことを決定しました。これにより、ラピダスに対する政府の支援総額が大幅に増加し、日本が戦略的な技術分野における自立性を確保し、国際競争力を回復させるための強い国家的なコミットメントを示しています 。
3. 半導体工場補助金の条件にサイバー対策を義務付け 日本政府は、半導体工場の新設や増強に対する補助金を交付する際、企業に対して高度なサイバーセキュリティ対策を講じることを条件とする方針を打ち出しました。これは、地政学的リスクの高まりを背景に、重要な半導体サプライチェーンがサイバー攻撃などにより供給途絶に陥るリスクを低減し、経済安全保障を強化するための措置です。
4. ASML、米国のために中国をスパイすることを申し出た疑惑 ASMLが、米国政府に対し、中国における「目と耳」となり、情報を収集するスパイ活動を申し出たとされる疑惑が、新しい書籍によって報じられました。この報道によると、ASMLはDUV露光装置の対中販売制限に関する「紳士協定」を破った後、ワシントンとの関係を修復するために提案したとされています。
5. 中国半導体メモリー、世界のシェアが10%超え 米中間の技術分断が進む中でも、中国国内の半導体メモリー企業が技術開発を急速に進め、世界市場におけるシェアが10%を超える水準に達しました。これは、地政学的圧力と国産化政策が相まって、中国の半導体エコシステム内で技術の追い上げが加速している現状を反映しています。
6. Intel、中国でAI拡大戦略を強調 Intelは中国市場でのイベントにおいて、AI（人工知能）分野の拡大戦略を強く打ち出しました。具体的には、同社のAIアクセラレータである「Gaudi 2E」のほか、計算能力を分散させる「分散型スーパーノード」アーキテクチャを紹介し、中国の急速に高まるAIインフラ需要を取り込む姿勢を示しました。
7. 日印首脳、半導体およびAI革新における協力強化で合意 日本とインドの首脳は、半導体やAI（人工知能）技術の革新分野において、協力関係をさらに強化することで合意しました。この合意は、高市政権においてもインド重視の外交姿勢が維持されることを示しており、技術協力が経済安全保障と地域戦略の重要な柱となることが期待されます。
8. 電力株に10年ぶりの「スーパーサイクル」が到来 AIデータセンターの急増に伴う膨大な電力需要の増加を背景に、電力関連株に10年ぶりとなる「スーパーサイクル」が到来したと報じられています。一部の熟練投資家は、この電力株投資でエヌビディア株への投資を上回る利益を上げているとされ、AI時代のインフラストラクチャ投資の重要性が際立っています 。
9. 中国半導体業界協会、新たな変革の波と産業発展の方向性を示す 中国半導体業界協会の張立氏は、半導体産業が現在、新たな変革の波を迎えていると述べました。今後の産業発展のためには、システム全体を見通す「システム的思考」を堅持し、実際の応用分野からの需要を牽引力とするアプローチ（アプリケーション主導）を強化する必要があると指摘しています。
10. 米エネルギー省、素粒子物理学に量子コンピューティングを導入 米エネルギー省（DOE）は、素粒子物理学の研究、特に反物質の秘密など、従来の計算手法では難しかった複雑な問題に取り組むために、量子コンピュータ技術の導入を開始しました。これは、最先端の量子技術が基礎科学研究を加速させるための重要な応用事例となります。

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