電子機器トータルソリューション展2023

標記の展示会が、東京ビッグサイト東展示場にて、5月31日~6月2日に開催されました。https://www.jpcashow.com/show2023/展示会に加えて、セミナーが多数開催され、その一部はハイブリッド開催になっていました。大ブースを中心にデモやプレゼンテーションが盛況でした。SEMICONショーでは10年以上前から、実際の装置の展示はなくなっていますが、こちらでは実機がしかも稼働している状況を見ることができるのは楽しみの一つです。

材料、装置、PCBメーカーや大学、自治体などが展示しています。韓国、中国からの展示数も多かったです。一方PKG基板の大手の参加はありませんでした。

小さいエリアですが、 3D-MIDパビリオンが設置されていました。MIDとは、Molded Interconnect Device, 成形回路部品であり、立体的な表面に配線を配置するものです。EE Times Japanの少し前の記事を参照してください。https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/1608/02/news028.html

最終日にはRapidus株式会社小池社長による「新たな世界的半導体イノベーションの幕開け」と題しての講演があり、会場は満席になっていました。

日本に最先端のロジックファウンドリーを復活させる試みとして応援する声があると同時に、TSMCに追いつくのは現実的ではないのではないかとの疑念が発せられています。私が注目したのは、小池氏が2020年(だったと思います)のSEMICON Japanのパネルディスカッションでコメントされていたエンドプロダクツと強いつながりを持つことの重要性を一貫して主張されていることです。そのために、ASSPでは対応しきれないニーズに応えるロジックをいわゆるチップレットのコンセプトで一部カスタム(ASIC)にし、短期間で供給するというものです。バッチと枚葉の議論をされていますが、これは既にファウンドリでは実施されているので、ある種のカモフラージュではないかと受け取りました。技術的には、多品種少量生産環境において如何に(生産のTATの前に)開発速度を上げ、歩留まりを上げることにあると考えます。ビジネス的には、ASSPに対して、ASICの市場は小さいのでロングテールの需要を集めるマーケティング、営業、技術的方策が必要になるだろうと思います。こういったところは検討されているでしょうが、まだ公開するには時期尚早ですね。

また、公安調査庁のブースが目を引きました。国家公安委員会や公安警察と混同しそうですが、法務省の下部組織であり、経済安全保障の啓蒙活動としての展示ということです。

2023/6/5


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


PAGE TOP
This site is registered on wpml.org as a development site. Switch to a production site key to remove this banner.