半導体ニュース 20251227

主要ニュース

1. サムスンとSKハイニックス、HBM4生産を2026年初頭へ加速
   サムスン電子とSKハイニックスは、次世代メモリであるHBM4の生産スケジュールを前倒しし、2026年初頭の量産開始を目指して競争を加速させていると報じられました。AI市場における広帯域メモリ需要の爆発的な増加に対応するため、両社は技術開発と設備投資を急ピッチで進めています。これにより、次世代AIチップの性能を左右するメモリ分野での主導権争いが、予定よりも早く激化する見通しです。
2. SKハイニックス、TSMCと連携しHBM4をNvidiaへ出荷
   SKハイニックスは、TSMCとのパートナーシップを通じて、2月にもHBM4の生産を本格化させる目標を掲げています。すでにNvidiaに対して最終サンプルの出荷を行っており、HBM市場におけるリーダーシップを維持するための具体的な布石を打っています。TSMCのパッケージング技術と組み合わせることで、主要顧客であるNvidiaの次世代AIアクセラレータへの採用を確実にしようとする動きです。
3. 日本政府、AI・半導体支出を4倍増しRapidus支援を強化
   日本政府は、半導体および実体型AI（Physical AI）分野への支出を従来の4倍に拡大する方針を打ち出しました。特に、最先端半導体の国産化を目指すRapidusへの国家支援を深化させることが強調されています。これは、経済安全保障の観点から国内での製造基盤を確立するとともに、ロボットや産業機器などを含むAIの実装領域で国際競争力を高めるための戦略的な投資拡大です。
4. Nvidia、Intelの18Aプロセス採用を見送りか
   Nvidiaは、Intelの最先端製造プロセスである「18A」のテストを行いましたが、採用に向けた前進は見られなかったと報じられました。Intelはファウンドリ事業の再建において18Aを切り札としていますが、AIチップの王者であるNvidiaからの受注獲得には至らなかった可能性があります。これはIntelの製造受託戦略にとって逆風となる一方、TSMCの優位性が依然として揺るがないことを示唆しています。
5. AMD、Nvidiaに対抗しアリババからMI308チップを受注
   AMDは、中国のアリババグループからAIチップ「MI308」の主要な注文を獲得したと報じられました。これはNvidiaのH200に対抗する動きであり、AMDが巨大な中国市場において存在感を高めていることを示しています。米国の輸出規制という制約の中で、中国のテックジャイアントがNvidia以外の選択肢としてAMDのソリューションを採用し、AIインフラの多様化を図っていることが窺えます。
6. ソフトバンクと富士通、AI向け省電力メモリ開発で連携
   ソフトバンクが主導するAI向け次世代メモリの開発に、富士通が参画することが明らかになりました。AIデータセンターの電力消費量が課題となる中、両社は省電力性能に優れたメモリ技術の確立を目指します。かつて半導体産業を牽引した日本企業の技術力を結集し、国産技術によってAIインフラ市場での復権を狙うとともに、ハードウェアレベルでのエネルギー効率改善に取り組みます。
7. Nvidia、AIチップ新興Groqと29兆ウォン規模の技術契約
   Nvidiaは、AI推論チップのスタートアップであるGroqに対し、29兆ウォン（約3兆円規模）を支払って技術契約を結んだと報じられました。Groqは高速な推論処理技術に強みを持っており、この提携または契約により、Nvidiaは学習用途だけでなく推論用途においても技術的な優位性を盤石にする狙いがあると見られます。AIチップ市場におけるNvidiaの支配力がさらに強化される可能性があります。
8. Google、HBM供給不足の責任で調達担当幹部を解雇
   Googleは、AIサーバーに不可欠なHBM（広帯域幅メモリ）の深刻な供給不足を招いた責任を問い、調達担当の幹部を解雇したと報じられました。AI開発競争において計算リソースの確保が企業の死活問題となっており、サプライチェーン管理の失敗が経営上の重大な失態と見なされる現状を浮き彫りにしました。MicrosoftやMetaなどとの争奪戦が激化する中での厳しい人事措置です。
9. Intel、TSMCを凌駕する巨大チップレットパッケージ技術を披露
   Intelは、現在の最大のAIプロセッサの12倍のサイズに達する、極端なマルチチップレットパッケージ構築技術を披露しました。これはTSMCが計画している最大設計をも凌駕するとされており、微細化だけでなくパッケージング技術においてもリーダーシップを取り戻そうとするIntelの執念を示しています。将来の巨大AIクラスター向けのハードウェア基盤として注目されます。
10. ファーウェイ、2026年に韓国でAIチップ「Ascend 950」販売へ
    中国のファーウェイは、2026年に韓国市場において自社のAIチップ「Ascend 950」の販売を計画していると報じられました。単なるチップ販売にとどまらず、クラスター単位での大規模な展開を目指しています。米国の制裁下にあるファーウェイが、AI需要が高まる韓国市場へ進出を図る動きであり、アジア地域におけるAIハードウェアの勢力図に影響を与える可能性があります。

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