半導体ニュース 20251210

主要ニュース

1. NVIDIAのAIチップH200の対中輸出が条件付きで承認 トランプ大統領は、NVIDIAの次上位AIチップであるH200製品の中国への輸出を条件付きで許可しました。報道によると、このチップはH20と比較して6倍のパワーを持ち、輸出には25%の手数料が課されるとされています。この承認は、半導体市場に大きな変革をもたらすと見られており, 韓国のHBM（高帯域幅メモリ）産業にも恩恵が期待されています。
2. AI需要でNAND価格が360%急騰、メモリ市場全体が反乱状態に AI需要の急増を背景に、NANDフラッシュメモリの価格が驚異的な360%も急騰し、「低賤なメモリ」とされていたNANDまでもが脚光を浴びる「反乱」の状態にあると報じられました。これは、AIスーパーサイクルがDRAMだけでなく、ストレージ市場全体にも構造的な影響を及ぼし、メモリの価格と供給の状況が非常に逼迫していることを示しています。
3. Samsung、HBM4推進を背景にピョンテク第4期のスケジュールを前倒し Samsung Electronicsは、HBM4（High Bandwidth Memory 4）技術の積極的な推進を背景に、韓国ピョンテクキャンパスの第4期製造施設のスケジュールを前倒ししています。この動きは、AIチップ製造に不可欠なHBM市場において主導権を握り、同社のファウンドリ事業の回復を後押しする重要な戦略的投資です。
4. GoogleとMicrosoft、メモリ確保でコストより速度を優先 クラウドサービスプロバイダー（CSP）であるGoogleとMicrosoftは、AIワークロードの要求を満たすためにメモリ容量の確保に奔走しており、この競争においてコストよりも速度を優先していると報じられました。この優先順位は、DDR5メモリなどの在庫争奪戦が激化している現状を反映しており、AI競争における計算資源の即時確保が最重要課題となっていることを示しています。
5. Appleシリコン設計責任者、経営陣の大量離職にもかかわらず留任決定 Appleのカスタムシリコン設計を過去10年にわたり牽引してきた責任者であるジョニー・スラウジ氏が、経営幹部の大量離職が続く中でもAppleに留まることが決定しました。スラウジ氏の留任は、AppleのMシリーズやAシリーズチップといった内製シリコン戦略の継続性と安定性を保証する上で極めて重要なニュースです。
6. Intel、インドのTataグループとの戦略的パートナーシップを強化 Intelは、インドでのチップ製造推進を強化するため、Tataグループとの間で新たな戦略的パートナーシップを締結しました。この提携により、IntelはTataの140億ドル規模のチップ製造工場およびOSAT（アウトソーシング半導体組立・テスト）整備事業の主要顧客となる見込みです。
7. 中国のMoore Threads、新GPU発表でNvidiaへの挑戦を激化 中国のGPUメーカーであるMoore Threads（摩爾線程）が開発者向けカンファレンスを開催し、新しいGPUを発表することで、Nvidiaへの挑戦を激化させています。これは、米国の輸出規制下において、中国が国内のAIチップ競争（市場規模は2,750億ドルに迫る）を加速させ、技術自立を目指す強い意志の表れです。
8. TSMCの先進パッケージング施設が最大稼働、アウトソーシングの噂も TSMCの先進パッケージング（AP）施設が現在最大稼働状態にあると報告されています。AIチップの需要がパッケージング能力のボトルネックとなっている状況で、業界関係者の間では、TSMCが一部のパッケージング作業を外部に委託する可能性についての噂も囁かれています。これは、先進パッケージングがAIサプライチェーンにおける決定的な要素であることを示しています。
9. UMC、imecのシリコンフォトニクス技術をライセンス取得し光通信分野へ UMC（聯華電子）は、imecのiSiPP300シリコンフォトニクス（SiPh）技術のライセンスを取得し、この分野での能力を強化しました。UMCは、2026年から2027年にリスク生産（試作）を開始する計画であり, AIデータセンターの高速化に不可欠な光インターコネクト技術の商用化に向けた準備を進めています。
10. エンタープライズSSD市場の急成長が業界収益を28%拡大 エンタープライズ向けSSD（Solid State Drive）の価格と出荷台数が急増しており、これがNANDフラッシュメモリ業界全体の収益を28%成長させると予測されています。AIデータセンターのストレージ需要が爆発的に増加していることが、この高収益なエンタープライズSSD市場の成長を牽引しています。

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