半導体ニュース 20251208

主要ニュース

1. 東京エレクトロン、2026年度までにAI主導の売上高が40%に達する見込み 東京エレクトロン（TEL）は、AI関連技術からの売上高が2026年度までに全体の40%に達する見通しを発表しました。これは、中国市場での低迷を相殺する役割を果たすと見られており、同社がAIチップやHBM製造に不可欠なエッチング・成膜装置といった半導体製造装置の需要急増を取り込み、事業構造をAIブームに適合させていることを示しています。
2. 世界半導体売上高、10月に前年同月比33%増の713億ドルに急増 機関投資家による報告によると、2025年10月の世界半導体売上高は、前年同月比で33%の激しい増加を記録し、総額713億ドルに達しました。この売上高の急増は、チップ需要に対する大きな追い風であり、世界的な半導体市場が強い成長サイクルに入っていることを示唆しています。
3. 中国のストレージスタックは厳しい状況ながら、グローバルな地位を目指す HuaweiのPeter Zhou氏は、中国のストレージスタック（データ保存技術基盤）は厳しい状況にあることを認めつつも、依然としてグローバルな地位を確立することを目指す体制が整っていると述べました。これは、国際的な技術制約や競争環境の中で、中国がデータストレージやクラウド技術において国内自給体制を強化しつつ、世界市場での存在感を追求している姿勢を示しています。
4. 中国、先端技術の国産化を加速させる新5カ年計画 中国は、新5カ年計画において、先端技術の国産化を加速させる方針を打ち出しています。この動きは、地政学的な緊張が高まる中で、特に半導体やAIなどの戦略的分野において、海外技術への依存度を低減し、国内の技術力とサプライチェーンの自立性を強化する意図を反映しています。
5. 台湾、日韓の高級市場シフトによりコンデンサ市場で利益を得る立場に 日本と韓国の企業がコンデンサの生産をより高収益な高級市場へシフトしているため、台湾のメーカーがその恩恵を受ける立場にあると報じられました。この動きは、家電や産業用途での汎用コンデンサ需要が引き続き旺盛である中で、台湾企業が生産能力と市場占有率を拡大する機会を得ていることを示しています。
6. Ritek、AIインフラ分野で成長を蘇らせるダークホースとなる Ritekは、AIインフラストラクチャ分野における「ダークホース」となり、成長を蘇らせていると報じられました。これは、AIブームが半導体やメモリだけでなく、パッケージング材料などの周辺技術にも新たな市場機会をもたらしており、Ritekがこの波に乗って業績を回復させていることを示しています。
7. 韓国、パワーチップ輸入依存度90%からの脱却を目指し空港GSEに注力 韓国は、90%に達するパワーチップ（電力用半導体）の輸入依存度を解消するため、空港の地上支援機器（GSE）開発に注力する戦略を打ち出しました。パワーチップは電気自動車や産業機器に不可欠であり、この戦略は韓国が国家的な技術安全保障を強化し、国内でのパワー半導体サプライチェーンを確立する狙いがあります。
8. 中国の東方工科大学寧波、ICおよびAIを主要な注力分野に 中国東方工科大学寧波校は、IC（集積回路）やAIなどの分野を主要な注力分野として強調しています。これは、中国が半導体およびAI分野における人材育成と研究開発を国家戦略として重視しており、国内の技術革新を加速させるための教育機関の役割を強化していることを示しています。
9. 台湾のESMT、メモリ需要の回復加速と価格上昇効果が2025年第4四半期に波及 台湾のメモリメーカーESMTは、メモリ市場の回復が加速しており、価格上昇の効果が2025年第4四半期に波及する見込みであると見ています。これは、AIやHPC（高性能コンピューティング）に加えて、一般的なエレクトロニクス用途のメモリ需要も回復基調にあり、市場全体での需給バランスが改善している状況を示しています。
10. TSMC、アリゾナで先進パッケージング施設を加速し「全米産」チップ製造に一歩近づく TSMCは、アリゾナ州での先進パッケージング施設（AP）の建設を加速させていると報じられました。これにより、TSMCは米国国内で「全米産（all American）」のチップを製造する体制に一歩近づいており、米国の半導体サプライチェーン強化への貢献と、地政学的な要求に応えるための戦略的な動きを進めています。

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