半導体ニュース 20251205

主要ニュース

1. Micron、コンシューマー向けメモリ市場から撤退し、エンタープライズに集中
   Micron Technologyは、コンシューマー向けメモリブランド「Crucial」の提供を2026年2月までに終了し、コンシューマーメモリ市場から撤退する計画です。これは、AI需要の急増と構造的な半導体不足を背景に、経営資源を収益性の高いエンタープライズ向け供給へ集中させるための戦略的な転換であり、AIが世界のメモリ市場の構造を根本的に変えていることを示しています。
2. Samsung、Nvidiaの2026年SOCAMM2供給の大部分を獲得か
   Samsungは、Nvidiaの次世代チップ用と見られる2026年SOCAMM2の供給契約において、その大部分を獲得したと報じられました。SOCAMM2は、CPU、DRAM、GPUを統合した先進的なAI/HPC向けモジュールであり、この契約獲得は、SamsungがAIチップサプライチェーンにおける重要な地位を確保し、HBMなどの先進メモリ技術における競争力を強化していることを示しています。
3. NVIDIA、Synopsysに3100億円投資しAIエンジニアリング分野を拡大
   NVIDIAは、半導体設計自動化（EDA）ソフトウェア大手であるSynopsysに20億ドル（約3100億円）を投資し、AIエンジニアリング分野での協力を強化しました。この提携は、半導体の設計および運用におけるAIの潜在能力を引き出し、AI時代の複雑なチップ設計を革新することを目的としており、NVIDIAがソフトウェアエコシステム全体での優位性を築く戦略の一環です。
4. TSMC、先進パッケージングを迅速化しAP7は2026年生産開始へ
   TSMCは、先進パッケージング技術の展開を加速しており、AP7ファブは2026年の生産開始を目指しています。また、アリゾナ州のP6ファブが、米国における先進パッケージングのハブとして注目されています。AIブームがウルトラ大規模チップパッケージングへの需要を牽引する中、TSMCはこの分野で技術的優位性を維持し、顧客の要求に応えるための投資を急いでいます。
5. SamsungとSK Hynix、2026年のDRAM戦略を一致させる
   主要なDRAMメーカーであるSamsungとSK Hynixが、2026年のDRAM生産および供給戦略を一致させていると報じられました。この動きは、AIおよび高性能コンピューティング（HPC）による構造的なチップ不足が続く中で、両社が市場の安定性と高い収益性を維持するため、供給量を慎重に調整していく意図を示唆しています。
6. AWS、最強かつ最高効率のカスタムCPU「Graviton5」を発表
   Amazon Web Services（AWS）は、自社で開発したCPUの最新世代であるGraviton5を発表しました。これは、AWSのクラウドインフラストラクチャ向けに設計されており、「最も強力かつ最高効率のCPU」であるとされています。これは、巨大クラウドサービスプロバイダー（CSP）が、コストと性能を最適化するために、カスタムシリコン開発への投資を強化している明確な例です。
7. Quanta、電力不足が次のサーバー成長の波を停滞させる可能性を警告
   大手サーバーメーカーであるQuanta（クアンタ）は、テックフォーラム2026において、AIサーバーの次の成長の波が、電力不足によって停滞する可能性があると警告しました。AIインフラストラクチャの急速な拡大に伴い、高性能チップだけでなく、それを駆動する電力供給能力自体が、今後の成長における深刻なボトルネックとなる懸念が高まっています。
8. NVIDIA CEO、中国規制緩和後のH200需要について確信持てず
   NVIDIAのCEOであるジェンセン・ファン氏は、米国の規制が緩和されたとしても、中国が高性能なH200チップを購入するかどうか確信が持てないと述べました。その理由として、北京当局が国内製のAIソリューションを優先する傾向があることを指摘しており、これは地政学的な規制が中国の国内AI産業の自立を加速させている現状を反映しています。
9. AMD Radeon、VRAM価格が8GBあたり10ドルの値上げを確認
   AMD RadeonグラフィックスカードのVRAM価格について、8GBあたり10ドルの価格引き上げが確認されました。また、2026年にもさらなる値上げが予想されています。この価格高騰は、AI需要によるメモリ市場の供給不足が、コンシューマー向けのGPU市場にも直接的なコスト増として転嫁されていることを示しています。
10. GenAIスマートフォン、累計出荷台数が5億台を突破
    生成AI（GenAI）機能に対応したスマートフォンの累計出荷台数が5億台を突破したことが報告されました。この数字は、AI技術がデータセンターだけでなく、エッジデバイスであるスマートフォン市場においても急速に普及し、コンシューマーデバイスの新しい標準となりつつあることを示しています。

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