半導体ニュース 20251126

主要ニュース

1. TSMC、先進ノードの供給能力がAI需要の約3倍不足 TSMCは、AI（人工知能）チップの需要が急速に拡大している結果、最先端ノードの製造能力がこの需要に対して約3倍不足していると発表しました。この深刻な供給不足は、AIチップの性能向上が従来の半導体製造能力の拡張速度を大きく上回っている現状を示しており、高性能コンピューティング市場全体のボトルネックとなっています。
2. Meta、Google TPU導入を検討しNvidiaへの依存を低減へ Metaは、AIインフラの多様化を進めるため、2027年にGoogleのTPU（Tensor Processing Unit）の採用を検討していると報じられました。この動きは、市場におけるNVIDIAへの圧力と競争を一層強めるものであり、2026年のGoogle Cloud TPUのレンタルや2027年のチップ購入を含む、10億ドル規模のAIチップ契約となる可能性があります。
3. TSMC、台湾で2nm技術強化のため新ファブ3棟にNT$9000億投資を計画 TSMCは、台湾における最先端の2nmプロセス技術の生産能力を大幅に強化するため、3つの新しいファブを建設し、9000億台湾ドル（NT$9000億）を投資する計画が報じられました。これは、先進プロセス技術における同社の優位性を維持し、次世代の高性能チップ需要に対応するための戦略的な大規模拡張です。
4. Samsung、2nmプロセスで55～60%の歩留まりを達成か Samsungは、次世代の2nmプロセス技術において、**55%から60%**という高い歩留まり率を達成したと報じられました。同社は、GAA（Gate-All-Around）技術を早期に導入することで、ファウンドリ市場で技術的な優位性を確保し、最大のライバルであるTSMCとの先進ノード競争を激化させることを目指しています。
5. AIチップ需要増でフラッシュメモリ価格の急騰が加速 Innodiskは、2025年第4四半期にフラッシュメモリの価格上昇が加速すると発表しました。Epic GamesのCEOもRAM価格の危機はすぐに収束しないと警告しており、さらにFrameworkもメモリ価格の上昇を予想して単体RAMの販売を停止しました。これは、AIサーバー需要がメモリ供給を圧迫し続け、価格高騰が長期化する懸念が高まっていることを示しています。
6. Tesla、Samsungの華城工場で次世代AI5チップを製造する可能性 Teslaは、自動運転技術の核となる次世代AIチップであるAI5の製造を、Samsungの華城（ファソン）工場で行う可能性があると報じられました。イーロン・マスクCEOは、テスラが将来的には他の全てのAIチップの合計を上回る量でチップを製造することを目指していると主張しており、自社開発チップの量産体制構築を急いでいます。
7. TSMC、元幹部をIntelへの秘密情報持ち出し疑惑で提訴 TSMCは、元上級副社長が退職時に営業秘密を不正に持ち出し、競合であるIntelに移籍したとして、この元幹部を提訴しました。この法廷闘争は、高度な半導体技術に関する機密情報の保護が極めて重要であることを示しており、業界トップ企業間での技術競争が激化し、法的手段に訴える事例が増加している現状を反映しています。
8. Rapidus、2027年に1.4nmファブの建設を開始へ 日本の次世代半導体製造企業であるRapidusが、2027年に1.4nmプロセスに対応するファブの建設を開始する計画が報じられました。これに先立ち、2026年から同ノードの研究開発が開始されます。このタイムラインは、Rapidusが国家的な支援を受けて、世界的な微細化技術競争において具体的な目標をもって進んでいることを示しています 。
9. 米国の輸出規制強化により中国CXMTの成長に限界 米国の輸出規制が強化された影響により、中国の主要なDRAMメーカーであるCXMT（Changxin Memory Technologies）の成長の上限が、早期に現れると指摘されました。この規制は、中国が国内で先端DRAM技術を確立し、PCサーバーメモリ競争において主導的な役割を果たすための取り組みに対し、重大な技術的および設備的な制約を課しています。
10. MediaTekとQualcomm、2nmおよびメモリコスト増でSoC価格上昇に直面 MediaTekとQualcommは、スマートフォンのフラッグシップSoC（System-on-Chip）製造において、2nmプロセスの製造コストの上昇と、世界的なメモリ価格の高騰という二重のコスト圧力に直面しています。このコスト増は、最終的に次期ハイエンドスマートフォンSoCの価格引き上げにつながる可能性が高く、スマートフォン市場全体に影響を及ぼす見込みです。

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