半導体ニュース 20251118

主要ニュース

1. 韓国半導体大手の巨額投資と競争激化 SKハイニックスは、龍仁半導体クラスターへの投資額を600兆ウォンに引き上げたと報じられ、Samsungも支出を増加させています。Samsungは単独で、今後5年間で韓国のAIおよび半導体生産に310億ドルを投資する計画を表明しており、平沢キャンパスでの新メモリ工場建設を推進します。この巨大な投資は、AI時代における次世代メモリおよびファウンドリ技術の主導権を確保するための、韓国企業の記録的な競争的投資を示しています。
2. TSMC、先進パッケージングCoPoSの量産を2029年に前倒し TSMCは、高性能AIチップの需要に対応するため、次世代の先進パッケージング技術であるCoPoS（Co-packaged Optics Solutionなど）の量産開始時期を2029年に前倒しすると発表しました。この早期導入により、台湾のサプライヤーが最初の注文を獲得しました。この動きは、AIサーバーの性能を飛躍的に向上させる光電融合や高度な積層技術の市場投入を加速させることを目的としています。
3. NVIDIA、フルAIサーバーシステム販売でパートナーの利益率を圧迫 NVIDIAは、2026年にフルAIサーバーシステムの販売体制を構築する準備を進めていると報じられています。この戦略は、AIサーバーの冷却供給網などサプライチェーンに対するNVIDIAの直接的な支配力を強化し、特に「Vera Rubin」冷却供給網において既にサプライヤーのマージンを圧迫しています。これにより、従来のAIサーバーのODM/OEMパートナーの収益機会が減少し、競争環境が変化する可能性があります。
4. メモリ不足の長期化とサプライチェーン全体への深刻な波及 AI需要の急増により引き起こされたメモリ（DRAM/NAND）不足は深刻化しており、この状況は少なくとも2026年まで続く見込みです。この供給逼迫は、中国のファウンドリSMIC、AIチップ設計のNVIDIA、さらにはスマートフォンやノートパソコンなどのデバイスメーカーを含む、半導体サプライチェーン全体に広範囲な影響を及ぼしています。メモリ価格の急騰は、最終製品の出荷台数減少を招く可能性も指摘されています。
5. Samsung、暗号通貨マイナーから2nm微細化チップの初期受注を獲得 Samsung Foundryは、暗号通貨マイニング大手のMicroBTおよびCanaanから、次世代の2nmプロセステクノロジーを使用したチップ製造の注文を確保したと報じられています。この受注は、ファウンドリ競争でTSMCを追撃するSamsungにとって重要な節目であり、最新の微細化技術の実用化実績と、高効率なマイニングチップ市場という新たな顧客層の確保を示すものです。
6. メモリ価格急騰を受け、AMDがGPU価格の引き上げを計画 AIやデータセンター需要に牽引され、高性能メモリのコストが急騰していることを受け、AMDは自社のGPU製品の価格を引き上げる計画であると報じられています。HBMやGDDRなどのメモリコスト増大はGPUの製造コストを直接押し上げており、この価格改定の動きは、現在の半導体市場のインフレが、コンシューマーおよびエンタープライズ向けのハイエンド製品市場に波及していることを示しています。
7. Intel、サーバー市場の高容量化シフトに対応し8チャネルCPUを廃止 Intelは、サーバー市場がAIやHPCのワークロードに対応するための高容量メモリ構成へとシフトしている動向を受け、次世代サーバーCPU「Diamond Rapids」における8チャネルの設計を廃止したと報じられています。これは、Intelがデータセンターの進化する要求、特にメモリ帯域幅と容量の最大化に対応するために、製品ロードマップを積極的に調整していることを示しています。
8. キヤノン、DRAM向けにナノインプリント技術の商業化へ「着実」に前進 キヤノンは、次世代の半導体製造技術であるナノインプリントリソグラフィ（NIL）の商業化に向けて「着実」に進展している状況です。NILは、特にDRAMなどのメモリ半導体の製造において、高価なEUV露光装置に代わる、低コストかつ高解像度の代替技術として期待されており、半導体製造装置市場における技術の多様化と革新を象徴しています。
9. TSMCアリゾナ工場、利益減に直面し回復は2027年の3nm量産に依存 TSMCのアリゾナ工場は、第3四半期に利益の減少に直面しました。この米国での新工場立ち上げに伴う課題からの回復は、2027年に予定されている第2ファブでの3nmプロセス技術の量産開始にかかる可能性が高いと分析されています。これは、グローバルな製造拠点展開、特に海外での生産立ち上げにおける初期の技術的および経済的な課題を浮き彫りにしています。
10. 中国の石油企業Heshun Petroが2.2億ドルで半導体IP市場に参入 中国の石油・化学企業であるHeshun Petroは、予想外ながらも2億2000万ドルを投じて半導体IP（知的財産）市場に参入しました。この異業種からの大規模な買収による参入は、中国企業が政府のハイテク自給自足政策と豊富な資本力を背景に、半導体産業チェーンの重要な要素であるIP分野での支配権確立を目指していることを示唆しています。

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