半導体ニュース 20251112

主要ニュース

1. TSMC、AI需要が牽引し10月の売上高が記録更新 TSMCはAI需要の好調に支えられ、10月の売上高で新たな記録を樹立しました。CEOは、この勢いが今後も継続することに自信を示しています。一方、この記録的な売上高の背景には、前年比の伸び率が低下しているとしても、それが即座に弱さを意味するものではないとする詳細な分析も存在します。AI中心の需要が、同社の継続的な成長を強く牽引しています。
2. NAND価格が6か月で倍増、メモリ供給不足が長期化の予測 NANDフラッシュメモリの価格が過去6か月間で倍増するという急速な高騰が見られています。Phison社のCEOは、このNANDの供給不足が今後数年間にわたって長期化する可能性があると予測しています。また、NORフラッシュ価格も中国市場で急騰しており、メモリモジュールメーカーは、この供給不足と価格高騰の傾向が2026年まで続く見通しを示しています。
3. ASML、AIブームにもかかわらずチップ装置需要がまだ上昇していないと発表 半導体製造装置の主要企業であるASMLは、世界的なAIブームが広がりを見せているにもかかわらず、チップ製造装置全体の需要はまだ本格的な上昇を見せていないと発表しました。ASMLは一方で、中国での戦略を転換する動きを見せており、韓国の華城キャンパスの竣工など、先進的な半導体技術協力の強化を進めています。
4. TSMC、2nm供給逼迫に対応し台湾で12の新工場を計画か TSMCは、市場での2nmプロセスの供給逼迫に対応するため、台湾において12の新しい先進プロセスおよびパッケージング工場を計画していると報じられています。また、TSMCのCoWoS生産能力の逼迫は深刻であり、米国のAIチップメーカーの一部は2027年までPowertechに製造を頼らざるを得なくなる可能性があるとされています。
5. インテルCTO兼AI責任者がOpenAIに移籍、CEOがAI戦略を直接指揮 インテルのCTO兼AI責任者が、就任からわずか7か月で離職し、競合のOpenAIに移籍しました。これを受け、インテルはCEOであるリップ・ブー・タン氏が直接AI戦略の主導権を握り、AI関連の推進を引き継ぐ体制となりました。この動きは、AI分野のトップ人材を巡る業界内の争奪戦の激しさを示しています。
6. AIがメモリ中心のコンピューティングへの転換を促進し、サプライチェーンを再定義 AI技術の発展は、従来の半導体設計を根本から見直し、メモリを中心としたコンピューティング構造への転換を加速させています。このパラダイムシフトは、HBMなどの技術を通じて半導体サプライチェーン全体の再定義を促しています。また、SKハイニックス、サムスン、サンディスクなどの主要企業は、次世代メモリの戦場としてHBF（High Bandwidth Flash）に注目しています。
7. GlobalFoundries、TSMCのGaN技術をライセンス取得し米国生産を拡大 GlobalFoundriesは、TSMCからGaN（窒化ガリウム）技術のライセンス供与を受ける契約を締結しました。特に650Vおよび80VのGaN技術を対象としたこのライセンス供与は、GlobalFoundriesによる米国での生産拡大戦略を支えるものです。この動きは、ファウンドリ大手のTSMCが特定の技術分野から撤退する兆しではないかという分析もあります。
8. YMTC、武漢に3号工場を増設し、2027年までに世界トップ4のメモリ企業を目指す 中国のYMTC（長江メモリ）は、武漢において生産能力をさらに拡大するため、第3工場の増設計画を進めていると報じられています。同社は、2027年までに世界のメモリ企業ランキングでトップ4入りを果たすという野心的な目標を掲げ、生産体制の強化を図っています。
9. ソフトバンクG、NVIDIA株を58.3億ドルで売却 ソフトバンクグループは、保有していたNVIDIA株を58.3億ドル（約8700億円）で売却したと公表しました。この大規模なAI関連株の売却は、市場でAI株に対する「買われすぎ論」が囁かれる中、米国テック株市場における注目すべき動きとなっています。
10. 中国、Nexperiaに対する制裁と免除措置を組み合わせ、新たなサプライチェーン戦略を打ち出す 中国政府は、オランダの半導体企業Nexperiaに対して、制裁措置と免除措置を併用した新たなサプライチェーン戦略を展開しています。この複雑な問題について、オランダ当局者は中国訪問を計画しており、中国商務部大臣は、安世半導体（Nexperiaの旧名称）の問題に関する責任はオランダ側にあると主張しています。

ニュース一覧