半導体ニュース 20251101

主要ニュース

1. NVIDIA、韓国でAIインフラとエコシステムの構築を推進 NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、韓国のAIフロンティア推進のため、25万個のAIチップをコミットしました。さらにNVIDIAは、サムスンやSKグループ、現代自動車といった韓国の産業界と協力し、AIインフラとエコシステムを構築しています。特にサムスンとは、50,000基のGPUを搭載した「AIファクトリー」を建設する大規模なパートナーシップを締結し、AI-RANや最先端技術での協業を進めています。フアン氏は、AIインフラ整備を進める上ではまず「AI工場を建てるべき」と助言しています。
2. ネクスペリア、中国工場へのウエハー供給停止で自動車産業に影響の懸念 安世半導体（Nexperia）が中国工場への半導体ウエハー供給を停止したと報じられました。この動きは、米中対立に起因する半導体不足の懸念を再び高めており、既にホンダが北米で減産に踏み切るなど、世界の自動車生産に深刻な影響が及ぶ可能性が懸念されています。EUの技術責任者もNexperiaと会談する予定であり、WingtechはCEOの復帰を要求するなど、国際的な注目の的となっています。
3. Samsung、NVIDIAと次世代HBM4メモリで重要取引を締結 Samsungは、次世代AIメモリであるHBM4に関してNVIDIAと重要な取引を締結しました。この取引により、SamsungのHBM4プロセスが業界最速となる11 Gbpsの速度を検証したことが確認されました。このHBM4は、NVIDIAが韓国に建設する50,000GPUのAIメガファブ向けに供給される見込みで、HBM3e、GDDR7、SOCAMM2といった他のメモリ製品についても供給協議が進められています。
4. ASE、AIおよびHPC需要拡大を受け設備投資を10億米ドル増額 チップパッケージング大手であるASE（日月光投控）は、AIおよびHPC（ハイパフォーマンスコンピューティング）需要の堅調な拡大を背景に、2025年の設備投資（CapEx）を10億米ドル（US$1B）増額すると報じられました。ASEは、高度パッケージングと安定した為替相場に支えられ、2025年第3四半期には11四半期ぶりの高収益を記録しています。また、同社の高度パッケージングおよびテストの収益は、2026年には10億米ドル増加すると予測されています。
5. TSMC、NvidiaとAppleからの受注が収益の40%超を占める TSMC（台湾積体電路製造）にとって、NvidiaとAppleからの受注が主要な利益エンジンとなっており、これら2社からの注文だけで同社の収益の40%以上を占めていることが明らかになりました。この事実は、AIチップ市場を牽引するNvidiaと、ハイエンドモバイル市場の主要プレイヤーであるAppleが、最先端半導体製造の世界で圧倒的な影響力を持っていることを示しています。
6. インテル、AIスタートアップSambaNovaの買収を検討か インテルがAIチップスタートアップのSambaNovaの買収に注目していると報じられました。SambaNovaはExecutive ChairmanをLip-Bu Tan氏が務めています。この潜在的な買収は、インテルのAI分野での競争力を回復させる「触媒」となる可能性がありますが、そのコストは少なくとも50億ドルという巨額に上る可能性があると見られています。
7. 中国CXMTがLPDDR5Xでサムスン/SKハイニックスに挑戦 中国のメモリメーカーであるCXMT（長鑫存儲技術）がLPDDR5Xの速度の壁を突破したことで、DRAM市場の既存の主要プレイヤーであるサムスンとSKハイニックスに対し、新たな競争上の試練を課すこととなりました。この技術的なブレークスルーは、中国企業がグローバルな高性能メモリ市場で存在感を増していることを示しています。
8. STマイクロ、自動車および産業用チップ需要鈍化で設備投資を削減 STマイクロエレクトロニクス（STM）は、自動車および産業用チップの需要回復が鈍化していることを受け、2025年の設備投資（capex）を削減すると発表しました。これは、AI/HPC分野の好調とは対照的に、広範な産業アプリケーション向けの半導体市場が依然として不安定であり、回復が遅れている現状を反映しています。
9. DRAMとNANDの価格回復が継続、メモリ事業は過去最高水準 メモリ価格は回復傾向が続いており、DRAM価格は7ヶ月連続、NAND価格は10ヶ月連続で上昇しています。この強力な回復の背景にはAI需要の増加があり、汎用DRAM価格も急騰しています。サムスンは2025年第3四半期決算でメモリ事業の売上高が過去最高を記録しており、「10年に一度のスーパ―サイクル」が到来したという見方もあります。
10. Apple、関税により2025年第4四半期に11億ドルの損失を計上 Appleは、2025会計年度第4四半期決算において、関税の影響により11億ドル（1.1Billion）の損失を計上したことを明らかにしました。さらに、今後14億ドル（1.4 Billion）の追加損失が見込まれています。この四半期、iPhoneとiPadからの収益は市場の期待を下回りました。

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