半導体ニュース 20251017

主要ニュース

1. TSMC、第3四半期決算が過去最高を記録し、粗利益率60%を予測 TSMCは2025年第3四半期の売上高が過去最高となる331億ドルに達し、前年同期比40.8%増、前期比10.1%増を記録しました。また、第4四半期の粗利益率は60%に達すると予測しており、2026年にはN2プロセスが急速な成長を遂げる見込みです。この記録的な業績は、AI関連の強い需要に支えられています。
2. TSMC、米国アリゾナでの先進ノードへの移行と拡張を加速 TSMCは、高まるAIチップの需要に対応するため、米国アリゾナ州の新施設において、最先端の2nmチップ（N2）およびより先進的なノードへの移行を加速する意向を発表しました。アリゾナ施設での迅速な拡張計画は、長期にわたる主要ノードとしてN2PとA16を含む2nmクラスの技術を確固たるものにすることを目指しています。
3. Samsung、AIコンピューティング推進のためHBM4Eで3.25 TB/sの帯域幅を実現 SamsungのHBM4Eメモリは、HBM3Eと比較して約2.5倍高速となる3.25 TB/sの帯域幅を提供する見込みであり、AIコンピューティング性能を新たなレベルへと押し上げます。同時にSamsungは、TSMCに対抗し半導体生産の主導権を握るため、ASMLの最先端リソグラフィー装置、具体的にはハイNA EUVスキャナー2台を導入しました。
4. QualcommとMediaTek、TSMCの値上げを理由に2nmチップ生産をSamsungへの移行を検討 TSMCによる価格高騰が利益を圧迫しているため、QualcommとMediaTekの両社が2nmチップセットの生産をSamsungに移行することを検討していると報じられています。これは、ファウンドリ市場における競争が激化していること、特に先進ノードにおける価格戦略が顧客の選択に大きな影響を与えていることを示しています。
5. Apple、第3世代3nmプロセスを採用した新チップ「M5」を発表 Appleは、第3世代の3nmプロセス技術を採用した新チップ「M5」を発表しました。M5は「Go Big Or Go Home」の精神に従い開発されたとされ、大幅な進化を遂げていますが、A19 Proチップとは本質的に技術が収束しているとも指摘されています。また、次期OLED MacBook ProではM6チップセットが搭載されるとの観測もあります。
6. DRAM価格の高騰が収まらず、市場のサプライズが継続 DRAM価格の高騰には終止符が見えず、Innodiskの会長は価格について「毎月サプライズがある」と述べています。これは、AIや高性能コンピューティングの需要がメモリ市場を押し上げ続けていることを示しています。また、NanyaはDDR4の価格と数量の伸びを予測し、年間契約交渉が進んでいる状況です。
7. 米中摩擦激化：オランダが中国資本のNexperia経営権を掌握 オランダ政府は、米国の対中輸出規制強化を背景に、中国資本のNexperia（聞泰科技の子会社である安世半導体）の経営権を掌握しました。これに対し、中国商務部はオランダによる安世半導体の運営への介入に断固として反対する姿勢を表明しており、半導体サプライチェーンを巡る地政学的な対立が深まっています。
8. Microsoft、SurfaceやXbox、データセンターの製造拠点を中国外へ移転する見込み Microsoftは、Surfaceラップトップ、Xboxコンソール、およびデータセンター関連製品の製造拠点を2026年までに中国外へ移転する計画であると報じられています。この動きは、米中間の貿易戦争に伴う不確実性に対抗し、サプライチェーンのリスクを軽減するための戦略的な判断であると見られています。
9. Intel、オープンAIアーキテクチャと年次GPU更新でAI市場の追撃を計画 Intelは、オープンなAIアーキテクチャを推進し、GPUの年次更新を通じてAI市場での遅れを取り戻すことを目指しています。一方、TSMCのCEOは、競合他社（Intelを暗に指す）が「我々の非常に良い顧客でもある」と述べ、IntelがTSMCの顧客である事実を強調しつつ、AI競争における微妙な牽制を行っています。
10. NVIDIAとパートナー企業に対するワシントン当局の監視体制が強化 NVIDIAと、そのパートナーであるMSI、Gigabyteなどの台湾企業との会食の写真が拡散されたことで、彼らの行動がワシントン当局の監視下に置かれる事態が発生しています。これは、高性能AIチップの販売や流通が、米国の技術規制や輸出管理の対象となる中で、AIサプライチェーン全体が地政学的な視線に晒されていることを示しています。

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