半導体ニュース 20251010

主要ニュース

1. TSMCの2025年第3四半期売上高は、AIによる先端プロセス需要を背景に高予測を上回る TSMCの2025年第3四半期の売上高は、事前の高水準な予測を上回る結果となりました。この好調の背景には、**AI（人工知能）**が牽引する先端プロセスに対する強い需要があります。この事実は、AI技術の爆発的な成長が半導体製造の最前線における主要な成長エンジンとなっていること、およびTSMCがその技術的な優位性を維持していることを示しています。
2. 中国、レアアース輸出規制を強化し、AIおよび国家安全保障と関連づける 中国は、国家安全保障を理由にレアアース（希土類）の輸出規制を強化しています。この規制には、レアアース関連技術に関する海外支援の新たな禁止措置が含まれています。特に、北京はレアアースをAIと国家安全保障に結びつけ、技術統制を強めており、14nmロジックおよび256層メモリのチップ生産技術も個別審査の対象となっています。この動きは、HDDなどのPC部品の供給を含む世界のサプライチェーンにリスクをもたらすと警告されています。
3. Intelが米国で世界最先端チップ「18A」の製造を開始、Fab 52が完全稼働へ Intelは、米国国内で世界最先端のチップを製造する最初の企業となり、最先端の18Aノード向けにFab 52が完全に稼働することを発表しました。この「待望の」18Aノードは、過去最低の欠陥密度を達成しており、社内外の顧客への準備が整ったことを示唆しています。また、Intelは長年の遅延を経て、AI製品サイクルを「年次」に移行する計画であり、18Aプロセスは次世代のAI PCプラットフォームであるPanther Lakeなどに採用されます。
4. NVIDIA、Blackwell Ultra GB300 AIシステム向けHBM3E供給でサムスンと提携 NVIDIAは、次世代のBlackwell Ultra GB300 AIシステム向けのHBM3E（高帯域幅メモリ）供給に関して、サムスンと提携しました。これは、韓国のサムスンにとってAI分野で大きな勝利となります。また、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、サムスンが提供する12層のHBM3eがGB300向けであることを確認したと報じられており、現在、具体的な受注交渉が進められています。
5. 米国の半導体投資が急増し、アリゾナが「第2のシリコンバレー」に 米国の半導体投資が急増しており、Semicon Westの参加者数が倍増する要因となっています。米国は半導体の国産化を目指し、アリゾナを「第2のシリコンバレー」とするために96兆円を投資する計画です。台湾の半導体企業もアリゾナに新たな拠点を築いており、Amkor Technologyは70億ドル規模の先進パッケージング施設の建設を開始しました。また、Applied Materialsとアリゾナ州立大学は「Materials-to-Fab」センターを開設しています。
6. Intel、18Aで構築された初のAI PCプラットフォーム「Panther Lake」アーキテクチャを発表 Intelは、18Aプロセスで構築された初のAI PCプラットフォームとなるPanther Lakeアーキテクチャを発表しました。この次世代プラットフォームは、性能と効率性を両立させ、CPUコアの応答性と性能を同時に向上させます。内蔵GPUのAI性能は2倍以上向上し、ゲーム性能を加速するXeSS-MFG技術が投入されます。Panther Lake「Core Ultra Series 3」CPUはCES 2026で発表され、2026年第1四半期に発売予定です。
7. TSMC先進パッケージング部門副社長、急増するAIパッケージング需要に対応するには並行開発が鍵と語る TSMC先進パッケージング部門の副社長は、AIチップの急速な成長に伴い、パッケージングに対する需要が急増している現状を指摘しました。この増大する需要に効果的に対応するためには、複数の技術やプロセスを同時に進める並行開発が不可欠であると述べています。この分野では、中国がガラス基板TGV技術を掌握しようとする動きや、3Mが次世代チップパッケージングコンソーシアムに参加するなど、技術競争が激化しています。
8. Applied Materials、ハイブリッドボンディングと電子ビーム計測でAIチップ性能を向上 Applied Materials（AMAT）は、先進的な半導体製造技術によってAIチップの性能向上を推進しています。具体的には、ハイブリッドボンディングと電子ビーム計測の技術を進化させることで、AIチップの性能を高めています。また、AMATは2nm以降の半導体製造プロセスに対応する次世代半導体製造装置3機種を発表しており、製造装置メーカーとして最先端のAIチップ開発をサポートしています。
9. Microsoft Azure、OpenAI向けに世界初のNVIDIA GB300 NVL72スーパーコンピューティングクラスターを発表 Microsoft Azureは、OpenAI向けに、世界で初めてNVIDIA GB300 NVL72スーパーコンピューティングクラスターを導入し、発表しました。これは、AI研究と開発を支えるための最先端インフラストラクチャの導入を意味します。このクラスターには、NVIDIAとサムスンがHBM3E供給で提携している、Blackwell Ultra GB300 AIシステムが採用されています。
10. AMDが次世代RDNA GPUアーキテクチャ向けにRadiance Cores、Neural Arraysなどを発表 AMDは、次世代RDNA GPUアーキテクチャ向けの重要な新技術として、Radiance Cores、Neural Arrays、およびUniversal Compressionを発表しました。これらの要素は、より高速なリアルタイムトレーシング（RT）、画質を向上させたアップスケーリング、そして低帯域幅要求を実現するために設計されており、AI半導体戦争において、Nvidiaの主要なライバルとしての競争力を高める狙いがあります。

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