半導体ニュース 20250929

主要ニュース

1. AMDのInstinct MI450XによるNVIDIA Rubinチップ設計への影響 AMDのInstinct MI450Xが競合として、NVIDIAに対し次期AIチップ「Rubin」の設計変更を促したと報じられています。これにより、NVIDIAはRubinにおいてTGP（Total Graphics Power）やメモリ帯域幅の拡大を含む調整を強いられた模様で、AIアクセラレータ市場における両社の競争激化が示唆されます。
2. TSMCの2nm製造、新竹からアリゾナへの拡大戦略 TSMCは2nm製造技術の展開を巡り、台湾の新竹から米国のアリゾナへと生産の焦点を拡大する「ギャンブル」に直面しています。この戦略は、地政学的要因と技術的課題が絡み合う中で、次世代半導体生産のグローバルな分散とリスク分散を目指す同社の重要な動きであり、注目されています。
3. AMD Zen 6 CPUにおけるD2Dインターコネクトの変更 AMDは次世代のZen 6 CPUにおいて、ダイ・ツー・ダイ（D2D）インターコネクト技術を従来のSERDESから「Sea-of-Wires」方式へと転換する計画です。この変更は、大幅な省電力化と低遅延化を実現することを目的としており、次世代CPU設計における重要なアーキテクチャ上の進歩であり、性能向上に寄与すると見込まれます。
4. Intel Panther Lake CPUと18Aノードでの最初の挑戦 Intelの次期CPU「Panther Lake」は、同社が期待する最先端の18A製造ノードを初めて採用する製品となり、Intelにとって最初の『挑戦』として位置づけられています。この18Aノードでの歩留まりや性能が、Intelが再び半導体市場で優位性を確立するための鍵となるため、業界は注視しています。
5. 東京エレクトロン、中国市場での売上減速を受け利益見通しを修正 半導体製造装置の世界的な大手である東京エレクトロンは、中国市場での売上減速や市場環境の変動を背景に、通期の利益見通しを修正しました。この決定は、米中間の技術摩擦や半導体サイクルにおける地域的な需要の変動が、主要なサプライヤーの業績に直接的な影響を与えている現状を反映しています。
6. Qualcommが北京サミットでエッジAI展開加速に向けたイニシアチブを立ち上げ Qualcommは北京サミットにおいて「AIアクセラレーション・イニシアチブ」を立ち上げました。これは、Snapdragonプラットフォームの能力を活用し、エッジAI（デバイス上で完結するAI処理）の展開を加速させ、産業分野を含む幅広い応用を推進することを目的としています。
7. 変動するPCBサプライチェーンの中で東南アジアが重要なハブとして浮上 世界のPCB（プリント基板）サプライチェーンが再編される中、東南アジア地域が新たな重要な製造ハブとして急速に浮上しています。これは、製造コストの効率化や、既存の製造拠点に集中する地政学的リスクの分散を図る企業の動きを背景としており、グローバルな電子部品供給構造の変化を示しています。
8. 関税交渉の未決着と、医薬品への100%関税適用可能性 政府の取り組みにもかかわらず関税交渉がまだ決着していない状況下で、トランプ前大統領が医薬品を含む品目に対し100%の関税を課す可能性を予告しました。この強硬姿勢は、行き過ぎた自由貿易の転換期にあることを示唆しており、次期米政権でも保護主義的な関税政策が続く可能性が高いと指摘されています。
9. AIワークロードの増加によりSSDがストレージのルールを書き換える AIワークロードが要求する膨大なデータアクセス速度と並列処理能力に対し、SSD（ソリッドステートドライブ）が従来のHDD（Spinning Rust）の限界を突破し、データストレージのルールを書き換えています。特にAI計算の現場では、高速アクセスが不可欠であるため、SSDへの需要シフトが加速しています。
10. Hanmi SemiconductorがAI時代に対応し先端チップパッケージングへ拡大 Hanmi Semiconductorは、高性能計算（HPC）を支えるAI時代の要求に応えるため、先端チップパッケージング分野へと事業領域を積極的に拡大しています。これは、HBM（High Bandwidth Memory）を含む高度な集積技術に対応する装置製造を通じて、成長著しいAI半導体エコシステム内での競争力を高める狙いがあります。

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