半導体ニュース 20250904

主要ニュース

1. レゾナックなど日米新27社、次世代半導体パッケージコンソーシアム「JOINT3」設立 レゾナックをはじめとする日本、米国、シンガポールの企業27社が、次世代半導体パッケージ技術の開発を目指すコンソーシアム「JOINT3」を設立しました。この企業連合は、AI半導体などに向けた新しい基板開発に取り組みます。参加企業には東京エレクトロンなども名を連ねており、国際的な連携を通じて、チップレット技術などの先端パッケージング分野における技術革新と国際競争力の強化を目指す動きとして注目されます。
2. NVIDIA、ディスクリートGPU市場シェア94%に拡大 NVIDIAがディスクリートGPU市場での支配力をさらに強め、市場シェアが94%に達したことが報告されました。この圧倒的なシェアは、同社のAIチップにおける優位性を裏付けるものであり、データセンターやゲーミング分野での需要の高さを示しています。一方で、供給制約に関する主張に対しては、NVIDIAはH100/H200 GPUの供給に問題はないと否定しています。この市場独占状態は、AI産業の基盤をNVIDIAが握っている現状を浮き彫りにしています。
3. 米政府、TSMC南京工場への輸出許可を2025年末で終了 米政府は、TSMCの中国・南京工場に対する半導体製造装置の輸出許可（免除措置）を2025年末までに終了する方針を固めました。これは、米国の対中半導体規制の一環であり、SamsungとSK Hynixに続く措置となります。この決定は、TSMCの中国における生産活動に大きな影響を与えるだけでなく、世界の半導体サプライチェーンにも変化を促す可能性があります。米中技術覇権争いがさらに激化する中での重要な動きと見られています。
4. OpenAI、株式売却額を100億ドルに引き上げ AI開発をリードするOpenAIが、株式売却額を100億ドルに引き上げたと報じられました。この動きは、サム・アルトマンCEOが数日前に「AIバブル」について警告した直後に行われたため、特に注目を集めています。巨額の資金調達は、AIモデルの開発競争が激化する中で、同社の研究開発と事業拡大をさらに加速させるためのものとみられます。CEOの警告と積極的な資金調達という動きは、AI業界の現状と将来に対する複雑な見通しを反映しています。
5. SpaceX、FAAから年間120回のロケット打ち上げ承認を獲得 SpaceXは、米連邦航空局（FAA）から、2024年に歴史的な打ち上げを記録した「ワークホース」と呼ばれる発射台から年間120回のロケット打ち上げを行う計画の承認を得ました。これは同社にとって大きな勝利であり、衛星インターネットサービス「スターリンク」の展開やその他の宇宙ミッションを大幅に加速させることを可能にします。この承認は、SpaceXの打ち上げ能力と信頼性の高さを証明するものであり、商業宇宙開発における同社のリーダーシップをさらに強固にするものです。
6. Hugging FaceのCEO、米国のAIクローズドソース化に警鐘 AIプラットフォーム「Hugging Face」のCEOが、米国がAI開発においてクローズドソースのアプローチを続ければ、国際競争で「Cooked（手も足も出なくなる）」ほど大きな不利を被るだろうと警告しました。オープンソースのAIモデルは、イノベーションを促進し、技術の透明性と安全性を高める上で重要であると主張しています。この警告は、大手企業が主導するプロプライエタリなAI開発モデルに対するものであり、AI技術の将来の方向性に関する重要な議論を提起しています。
7. Acer、IFA 2025でAI PCや次世代GPU搭載ノートPCなど新製品多数発表 Acerは、ドイツで開催されたIFA 2025において、多数の新製品を発表しました。特に注目されるのは、NVIDIAの次世代GPU「RTX 5090」を搭載したゲーミングノートPC「Predator Helios 18P AI」や、Intelの次世代CPU「Panther Lake」を採用した「Swift 16 AI」ノートPCです。また、Ryzen AI 300搭載の「Swift Air 16」や、最速540HzのOLEDモニターなど、AI機能や高性能を追求した製品群を披露し、PC市場のトレンドをリードする姿勢を明確にしました。
8. Apple iPhone 17 Pro、新サーマルソリューションで性能向上へ Appleの次期モデル「iPhone 17 Pro」には、新しいサーマルソリューション（熱対策技術）が採用される見込みです。この新技術により、プロセッサの性能向上、持続的なディスプレイ輝度の維持、そしてバッテリー寿命の延長が期待されます。スマートフォンの高性能化に伴い発熱問題は重要性を増しており、この改良は、より高度な処理を要求するアプリケーションやゲームでのユーザー体験を大幅に改善する可能性があります。
9. SKハイニックス、業界初の高NA EUVプロセスをメモリ生産に導入 韓国の半導体大手SKハイニックスが、ASML製の高NA（開口数）EUV（極端紫外線）露光装置をメモリ生産に導入する計画で業界をリードしていることが明らかになりました。高NA EUVは、従来のEUVよりも微細な回路パターンを形成できる次世代の半導体製造技術です。この最先端技術をいち早く導入することで、SKハイニックスはメモリチップの性能と集積度をさらに向上させ、技術的な優位性を確保することを目指しています。
10. Instagram、15年越しでiPadネイティブアプリをリリース サービス開始から15年の時を経て、InstagramがようやくiPad専用のネイティブアプリケーションをリリースしました。これまでiPadユーザーはiPhone版アプリを引き伸ばして使用する必要がありましたが、新しいアプリはiPadの大きな画面に最適化されています。Reels（リール）やStories（ストーリーズ）、マルチタスク機能などが快適に利用できるようになり、長年待ち望んでいたユーザーにとって大きな改善となります。この対応により、iPadでのコンテンツ制作や閲覧体験が向上することが期待されます。

ニュース一覧