半導体ニュース 20250903

主要ニュース

1. 米国の対中半導体輸出規制、SamsungとSK Hynixの免除特例剥奪 米国は、SamsungとSKハイニックスの中国向け半導体機器輸出に関する免除特例を剥奪しました。これにより、韓国のチップメーカーに大きな打撃が与えられ、TSMCも中国への機器出荷ができなくなると公表しています。この措置は、Micronや中国のチップメーカーに新たな機会をもたらし、世界の半導体サプライチェーンと競争環境に影響を与える可能性があります。
2. 中国YMTC、DRAM・HBM市場に参入 中国のYMTCが、国内専門企業CXMTと連携してDRAM市場への参入を目指し、特に高性能メモリであるHBM技術をターゲットにしていると報じられています。この動きは、米国の技術規制が強化される中で、中国が国内半導体産業の自給自足と競争力強化を図る戦略の一環であり、世界のDRAMおよびHBM市場の勢力図に変化をもたらす可能性があります。
3. TSMCのファウンドリ市場シェア70%突破 TrendForceの調査によると、2025年第2四半期の世界ファウンドリ市場において、TSMCが70%を超える市場シェアを獲得し、Samsung電子との差をさらに拡大しました。これは、最先端プロセスにおけるTSMCの圧倒的な技術的優位性と生産能力を明確に示すものであり、半導体製造分野における同社の支配的な地位を裏付けています。
4. NVIDIAのディスクリートGPU市場シェア94%に拡大 2025年第2四半期に、NVIDIAのディスクリートGPU（AIB）市場シェアが94%という圧倒的な水準にまで拡大し、AMDのシェアは6%に後退しました。この期間のAIB出荷台数は前年同期比で27%増加しており、特にAI需要の急速な高まりを背景に、NVIDIAがグラフィックスプロセッサ市場で独占的な優位性を確立していることを示しています。
5. 2025年第2四半期DRAM市場が17.1%増、SK Hynixが首位 TrendForceの調査によれば、2025年第2四半期のDRAM市場は前四半期比で17.1%の売上増加を記録しました。この成長の中で、SK Hynixが市場シェアを拡大し、DRAM市場の首位に躍り出ました。HBMなどの高付加価値製品への需要が、SK Hynixの業績を牽引していると見られます。
6. インド、国産初のチップを称賛しIPリーダーシップを目指す Semicon India 2025の開会式において、Modi首相はインド初の国産チップを称賛しました。インドは、国内での半導体設計と製造能力を強化し、知的財産（IP）分野でのリーダーシップを確立することを目指しています。これは、グローバルな半導体サプライチェーンの多様化と、インドがより重要な役割を果たすための国家的な取り組みの一環です。
7. AMD次世代Ryzen「Zen 6」CPU、TSMC 2nm/3nm採用予定 AMDの次世代Ryzen「Zen 6」CPUは、そのCore Compute Die（CCD）にTSMCの最先端2nmプロセス「N2P」を、I/O Die（IOD）には3nmプロセス「N3P」を採用する予定であると報じられています。これは、高性能CPUの開発においてTSMCの先進的な製造技術が引き続き不可欠な要素であることを示しており、AMDの将来の製品における性能向上への期待が高まります。
8. TSMC 2nm技術流出事件、元従業員3名がさらに勾留 TSMCの2nm技術流出事件において、元従業員3名が面会なしでさらに3ヶ月の勾留延長となりました。この事件は、最先端半導体技術の知的財産保護がいかに重要であるかを浮き彫りにしています。企業秘密の厳格な管理と、国家的な技術競争における機密保持の重要性が再認識される事例です。
9. 量子技術がチップ研究開発を加速 コラムによると、量子技術がチップの研究開発プロセスを大幅に加速させる可能性が指摘されています。量子コンピューティングや機械学習の応用は、材料科学、製造プロセス、データ分析といったチップ開発の多岐にわたる領域に革新をもたらし、次世代半導体の性能向上と開発期間の短縮に寄与すると期待されています。
10. 中国のロボット導入率、ドイツを抜き韓国に迫る 中国における労働者1人当たりのロボット導入率がドイツを上回り、韓国を追い抜く勢いであると報じられています。「ロボット熱」という表現が用いられるように、中国の産業全体で自動化と生産性向上が急速に進展していることを示しています。これは、製造業における中国の競争力強化に大きく貢献する動きと考えられます。

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