半導体ニュース 20250829

主要ニュース

1. TSMC 2nm技術盗難事件: 台湾検察は、TSMCの2nmコア技術を海外での使用目的で盗んだとして3名を起訴しました。最大14年の懲役刑に直面する可能性があるとのことです。東京エレクトロン（TEL）は、元従業員の起訴後も自社からのデータ漏洩はないと発表しています。これは半導体業界の知的財産保護と競争の激しさを示す重要な事件です。
2. 中国、AIチップ生産を大幅拡大へ: 中国は2026年までにAIチップ生産量を3倍に増やす計画で、ファーウェイ向けに3つの工場を設立し、NVIDIAへの依存度を低減する方針です。これは国内半導体自給自足とAI分野での戦略的独立を目指す中国の強い意志を示すものです。
3. TSMC、1.4nmファブ建設を前倒し: TSMCは、予定を前倒しして初の1.4nmプロセス生産施設の建設準備を進めていると報じられています。初期投資額は最大490億ドルに達する可能性があり、2027年のパイロット生産を目指すとのことです。これは次世代半導体技術開発におけるTSMCの積極的な姿勢を示します。
4. Intel、CHIPS法で巨額助成金を獲得しファウンドリを強化: Intelはトランプ政権との合意に基づき、CHIPS法から57億ドルの助成金を受け取りました。同社はファウンドリ部門への大規模な投資を表明し、米国政府もIntelのファウンドリ事業売却を望まない意向を示しているとのことです。これは半導体サプライチェーン強化への国家的な取り組みを反映しています。
5. Samsung、2nmプロセスがファウンドリ事業の命運を握る: 業界関係者によると、Samsungの最先端ファウンドリ事業の成功は、その第2世代2nmプロセスによって決まるという見方があります。SamsungはTSMCに対抗するため、Intelのパッケージング技術への投資やガラス基板での提携も検討していると報じられており、競争激化を示唆しています。
6. NVIDIA、中国市場での課題と成長リスク: NVIDIAはH20 AI GPUの中国販売に苦戦する一方、CEOはトランプ政権と最新のBlackwellデザインGPUの販売について協議中であると明かしました。NVIDIAの2026会計年度第2四半期決算は売上高・純利益ともに過去最高を更新したものの、成長率が2年ぶりの低水準に達し、中国市場の不確実性が今後の見通しに影響を与える可能性が示されました。
7. SK hynix、熱伝導率3.5倍のモバイルDRAM供給開始: SK hynixは、熱伝導率を従来の3.5倍に向上させたモバイルDRAMの供給を開始しました。これにより、オンデバイスAIアプリケーションにおける性能低下（スロットリング）の問題を解決し、AIデバイスの性能向上に貢献するとのことです。これはモバイルAI市場にとって重要な技術革新です。
8. Google、9,216チップ統合の新型TPU「Ironwood」を発表: Googleは、9,216個のチップを統合した新型TPU「Ironwood」を発表し、コンピューティング能力の大幅な向上を実現しました。これはGoogleのAIインフラの飛躍的な強化を意味し、より高度なAIアプリケーションの開発を可能にするものです。
9. Intel、先端パッケージング部門ディレクターが退社: Intelの先端パッケージング部門のディレクターがAnalog Devicesへ移籍しました。これはIntelにとって主要な幹部人材の流出であり、同社のファウンドリ事業における先進パッケージング戦略や技術開発に影響を与える可能性が指摘されます。
10. Micron、SamsungとのDRAM供給強化とDDR4生産終了の動き: MicronのCEOはSamsungのMX部門長と会談し、Galaxy向けDRAM供給体制を強化したと報じられました。また、MicronがDDR4の生産終了を計画していることは、ストレージ産業における技術移行と市場の変化を示唆しています。

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