半導体ニュース 20250827

主要ニュース

1. NVIDIAがロボティクスと物理AI向け「Jetson AGX Thor」を発表、ヒト型ロボット開発を加速 NVIDIAは、ロボティクスと「物理AI」の普及を加速するため、Blackwell搭載の組み込み型AIスーパーコンピュータ「Jetson AGX Thor」を発売しました。これはヒト型ロボットに独自の「脳」を与え、よりスマートで多機能にするための初の本格的な取り組みであり、Infineonを含む複数のパートナーがこのプラットフォームを活用した開発を支援しています。NVIDIAは「ロボットのいないロボットNo.1」を目指し、AIとロボティクスの融合を推進しています。
2. HuaweiがHBM供給ボトルネック解消を目指し、AI SSDを上海で発売 HuaweiはHBM（広帯域幅メモリ）の供給不足というボトルネックを解消するため、上海でAI SSD（Solid State Drive）を発売し、世界のAIメモリ競争に参入する意向を明らかにしました。これは、AI開発におけるメモリの重要性が高まる中で、Huaweiが半導体エコシステム内での自立と競争力強化を図る重要な一歩と見られています。AIコンピューティングにおける高効率なデータ処理への需要に応えることを目的としています。
3. SamsungとNVIDIAのCEOがHBM4契約を示唆、米国の1500億ドル支援が背景に SamsungとNVIDIAのCEOがソウルで会談し、次世代メモリ技術であるHBM4（High Bandwidth Memory 4）に関する提携を示唆しました。これは、韓国政府が米国に1500億ドルの追加投資を約束する中で行われたもので、「半導体アベンジャーズ」と称される業界リーダーが集結し、今後の半導体戦略と協力を協議しました。両社の協力は、AI向け高性能メモリ市場に大きな影響を与える可能性があります。
4. 中国、NVIDIA製H20チップへの全面的な輸出停止措置を報道、AI収益に懸念 中国政府がNVIDIAのH20 AIチップに対し、全面的な販売停止措置を課したと報じられています。この措置は、NVIDIAの中国におけるAI関連の収益に深刻な不確実性をもたらす可能性があり、米中間の技術摩擦が最先端半導体市場に与える影響の大きさを浮き彫りにしています。世界のAIチップサプライチェーンにおける地政学的な緊張が続いています。
5. AMDが「Instinct MI350」GPUの詳細を発表、AIハードウェア市場の強力な競合に AMDは、最先端のAIハードウェアであるInstinct MI350 GPUの詳細を公開しました。このGPUは、CDNA 4アーキテクチャに基づいた3nmプロセス採用の3Dチップレット設計で、1850億トランジスタ、1400Wの熱設計電力（TBP）、4000B以上のLLM（大規模言語モデル）をサポートする288GBの膨大なメモリを搭載しています。これはNVIDIAのAIチップに対抗する強力な製品となり、AIチップ市場の競争を激化させる見込みです。
6. TSMC、米国の圧力下で2nm工場から中国製装置を排除と報道 世界最大のファウンドリであるTSMCが、米国の圧力を受けて、2nmプロセスの製造工場から中国製の製造装置を排除したと報じられました。これは、米中間の技術覇権争いが高度な半導体製造プロセスとそのサプライチェーンに直接的な影響を与えていることを示しています。TSMCは地政学的な要請に応じ、サプライチェーンのリスク管理を強化していると見られます。
7. AMDとIBMが連携し、「量子中心型」スーパーコンピューティングの開発に着手 AMDとIBMは、新たな計算時代を切り開くため、「量子中心型」スーパーコンピューティングの開発で協業すると発表しました。この戦略的提携は、量子コンピューティングと従来の高性能コンピューティング（HPC）を統合し、次世代の計算能力を追求するものです。将来の複雑な科学的・産業的課題の解決に向けた、先進的なコンピューティング基盤の構築を目指します。
8. Rapidusが2nm設計にAIを必須ツールとして活用、Keysightとの戦略的協業も発表 日本の次世代半導体製造を担うRapidusは、2nmプロセス設計においてAIを必須ツールとして導入し、その効果を実証しています。また、RapidusはKeysightとの戦略的協業を発表し、PDK（プロセス設計キット）の高精度化に向けてKeysightの解析ソリューションを採用しました。これは、日本の半導体産業が最先端技術とAIを活用して国際競争力を強化する重要な動きを示しています。
9. スタンフォード大学の研究で、AIが初級プログラミングとカスタマーサービス職を席巻と判明 スタンフォード大学の新たな研究によると、AIが初級レベルのプログラミングおよびカスタマーサービスといった職種を急速に席巻していることが明らかになりました。過去3年間でこれらの分野の求人広告が13%減少しており、AIが労働市場に与える潜在的な影響と、特にエントリレベルの職務における自動化の進展を浮き彫りにしています。この傾向は、今後の教育やキャリアパス形成に重要な示唆を与えます。
10. SK hynixが321層2TB QLC NANDの量産を開始、2026年上半期に製品投入予定 SK hynixは、321層2TB QLC（Quad-Level Cell）NANDフラッシュメモリの量産を開始しました。これはメモリ技術における重要な進歩であり、2026年上半期にはこの技術を搭載した製品の市場投入が計画されています。この高密度かつ大容量のNANDフラッシュは、データセンター、エンタープライズストレージ、およびAIワークロードなど、膨大なデータ処理を必要とするアプリケーションの需要に応えることが期待されます。

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