半導体ニュース 20250821

主要ニュース

1. 米国のCHIPS法と株式要求の検討 米国政府が半導体製造補助金を提供するCHIPS法に基づき、インテルに続いてサムスンやTSMCといった主要受給企業に対しても株式取得を検討していると報じられました。これはトランプ氏の発想を反映した異例の政策であり、世界的な半導体産業の構造と企業戦略に大きな影響を与える可能性があります。米国の産業政策に個人の意思が強く反映されているという論説も出ています。
2. ソフトバンクのインテルへの20億ドル投資 ソフトバンクがインテルに20億ドルを投資したことが明らかになり、当初はインテルのファウンドリ部門全体を買収する意向だったことも報じられました。この投資は、ARMとチップ製造を結びつける孫氏の大胆な戦略の一環と見られており、インテルの再建に向けた重要な動きとして注目されていますが、投資銀行からは時間が必要との指摘もあります。
3. インテルの次世代AIチップ「Jaguar Shores」 インテルの次世代AIチップ「Jaguar Shores」のテスト車両がオンラインに登場し、その巨大なチップパッケージが公開されました。これはインテルのAI事業にとって「成否を分ける」転換点となる可能性を秘めており、同社のAI分野における競争力強化に向けた極めて重要な開発と位置づけられています。
4. Google Pixel 10と初の3nm Tensor G5発表 GoogleがPixel 10シリーズを発表し、同社初の3nmチップセットであるTensor G5を搭載することが明らかになりました。Tensor G5は前世代のTensor G4と比較して平均34%の性能向上を実現するとされ、高度なカメラ機能やAI強化、バッテリー寿命の改善を特徴とし、2025年のAndroidスマートフォンの新たな基準を確立します。
5. サムスンのNvidia向けHBM4供給動向 サムスンがNvidiaへのHBM4供給に向けて初期品質テストを通過し、順調に進んでいると報じられました。また、NvidiaのH20 AIチップ向けHBM3Eについては30%の割引を提示しており、高性能メモリ市場におけるサムスンの戦略的な動きと、Nvidiaとの緊密な協力関係の深化がうかがえます。
6. TSMC CoWoSのボトルネックとAIメモリへの影響 TSMCのCoWoSパッケージング技術のボトルネックが、AIメモリメーカーをNvidiaの影響下に固定する可能性が指摘されています。これはAIチップの供給チェーンにおいて極めて重要な課題であり、Nvidiaの市場における支配力をさらに強固にする要因となり得るため、業界全体に広範な影響を及ぼす可能性があります。
7. 中国の先進電子ビームリソグラフィ装置発表 中国がASMLのHigh-NA EUVに匹敵する精度を持つ電子ビームリソグラフィ装置を発表しました。これは中国が最先端半導体製造技術の自律性を高める上で重要な進展ですが、現時点では量産化への課題を抱えているとされており、今後の技術開発と実用化の動向が注目されます。
8. 半導体投資の減速とAI需要への偏り 世界の半導体市場では、東京エレクトロンやSCREENといった主要装置メーカーで投資の減速が見られ、半導体投資が踊り場にあると報じられています。一方で、7月から9月にかけての半導体市況はAI関連需要に強く依存しており、スマートフォン向けの回復が遅れていることが明確になっています。
9. CXMTの2026年HBM3量産目標 中国のCXMTが2026年までにHBM3の量産を目指していると報じられました。これは、トランプ政権がチップ貿易の計算方式を再定義する動きを見せるなど、米中間の貿易摩擦が続くなかで、中国がハイエンドメモリ分野での自給自足体制を確立しようとする強い意欲を示すものとなります。
10. PlayStation 5の米国での価格引き上げ ソニーは、世界的な経済情勢を理由に、米国におけるPlayStation 5およびPS5 Proの価格を50ドル引き上げると発表しました。この価格改定は、主要なゲームコンソールの市場における消費者の購買意欲や、競合他社の戦略に影響を及ぼす可能性があり、今後の市場動向が注目されます。

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