半導体ニュース 20250808

主要ニュース

1. トランプ大統領の半導体関税と免除 トランプ大統領は、米国外で製造された半導体に対して100％の関税を課す方針を発表しましたが、米国内で生産されるチップは免除されます。TSMC、Samsung、SK Hynix、Nvidia、Appleなど主要企業は免除対象と報じられ、米国での製造が奨励されています。これは、半導体サプライチェーンの国内回帰を促す重要な政策です。
2. インテルCEO辞任要求 トランプ大統領が、インテルCEOのリップ・ブ・タン氏に対し、中国との関係が疑われるとして辞任を要求しました。タン氏は「非常に矛盾している」と指摘されており、これはインテルの再建に向けた課題に拍車をかける可能性があります。政治的介入が大手半導体企業の経営に影響を与える事例として注目されます。
3. AI需要による世界的なファブ投資ラッシュ AI需要の急増を背景に、世界的なチップ大手各社が総額1350億ドル規模のファブ投資を加速させています。この巨額投資は、今後のAI技術の発展と、それに伴う半導体生産能力の飛躍的な向上が期待される中で行われています。半導体業界全体の成長と方向性を示す重要な動きです。
4. TSMCの2nm技術情報漏洩問題 TSMCの先進的な2nmチップ技術に関する情報漏洩が報じられましたが、内部関係者からは「深刻なものではなかった」との見解が出ています。一方で、東京エレクトロンはTSMCの漏洩に関与した台湾人社員を解雇しており、半導体業界における機密情報管理の重要性が改めて浮き彫りになりました。
5. テスラのDojoスーパーコンピュータ計画の進展と変化 テスラは、当初「野心的」とされたDojoスーパーコンピュータ計画を部分的に見直しており、プロジェクト責任者が自身のAIスタートアップを立ち上げ、主要チームを連れていったと報じられています。その一方で、テスラはDojoスーパーコンピュータ向けにインテルファウンドリーのパッケージングサービスを採用しており、半導体業界の「アンダードッグ」とされる企業を取り込んでいます。
6. SamsungとAppleによる米国初のイメージセンサー工場建設 SamsungとAppleが共同で米国初のイメージセンサー工場を建設すると発表しました。この工場では、iPhone 18向けに先進的な3層CIS技術を用いたイメージセンサーを現地生産する計画で、トランプ政権の関税圧力下での国内生産強化の動きと連動しています。Appleは米国への投資を拡大しており、サプライチェーンの現地化を進めています。
7. OpenAIが全ChatGPTユーザーにGPT-5を展開 OpenAIが、サム・アルトマン氏が「執筆、コーディング、人間レベルの推論において史上最高のモデル」と絶賛するGPT-5を、全てのChatGPTユーザー向けに提供開始しました。これは、生成AI技術の進化における重要なマイルストーンであり、広範なユーザーへの影響が期待されます。
8. AMDとマイクロソフトの次世代Xboxデバイス向けカスタムチップ開発 AMDがマイクロソフトと協力し、次世代Xboxデバイス（コンソール、PC、携帯機器を含む）向けにカスタムチップを開発していることを確認しました。この提携は、将来のゲーミングハードウェアの性能と機能に大きな影響を与えるものであり、両社の戦略的な協力関係を示すものです。
9. ソニーPlayStationのハードウェア事業からの転換 ソニーの幹部が、PlayStation事業がハードウェア中心からプラットフォーム事業へと移行していることを確認しました。これは、PlayStationのビジネスモデルの大きな戦略的転換を示しており、今後のゲーミング業界の展開に影響を与える可能性があります。
10. SiC市場の成長とロームの戦略 AI需要とグリーンエネルギーの推進が、SiC（炭化ケイ素）市場の成長を牽引しています。一方で、ロームは2025年度第1四半期の営業利益が80%急落する厳しい状況に直面しており、中国との競争に対抗するため新型SiC MOSFETを早期投入しています。また、TSMCのGaN（窒化ガリウム）撤退がロームに影響を与え、AIサーバー向けに注力するとしています。

ニュース一覧