半導体ニュース 20250806

主要ニュース

1. TSMC 2nm 機密漏洩事件の発生と従業員解雇: TSMCは、最先端2nmプロセス開発に関する機密漏洩疑惑で複数の従業員を解雇しました。この事案は国家安全保障上の重大事件として扱われており、台湾当局は東京エレクトロンを捜索し、元従業員が拘束されています。最大12年の懲役刑や高額な罰金に直面する可能性があります。
2. 米国の対台湾・半導体関税の脅威と要求: トランプ政権は、医薬品に加え半導体にも最大250%の関税を課す可能性を示唆しています。また、台湾に対し関税引き下げの見返りにIntel株の大量取得を要求したと報じられています。NVIDIAのAIサーバーは現在台湾への高額関税から除外されているものの、セクション232に基づく「チップ関税」の脅威が引き続き存在し、大きな懸念となっています。
3. AMDの中国GPU禁輸措置による損失と株価下落: AMDは中国向けGPUの禁輸措置により大きな打撃を受け、2025年第2四半期に営業損失を計上しました。この発表を受けて同社の株価は急速に下落しました。AMDは7～9月期に3割の増収を見込んでいますが、中国への出荷再開時期については言及していません。
4. OpenAIがGPT-2以来初のオープンウェイトモデルを公開: OpenAIは、GPT-2以来となるオープンウェイトモデルをApache 2.0ライセンスで完全無料で公開しました。これにより、AIモデルをローカルで実行できるだけでなく、128Kのコンテキストサイズと比類ないカスタマイズ性を実現し、AI開発の新たな機会を創出しています。
5. NVIDIAがAIチップへの「キルスイッチ」実装案を拒否: NVIDIAは、米国議員が提案した中国向けAIチップに「キルスイッチ」を実装する計画を断固として拒否しました。同社は、このような機能が重要インフラを意図的に弱体化させるものであり、決して実施しないと表明。米中間の技術覇権争いにおけるNVIDIAの強い姿勢を示しています。
6. Intelの次世代Panther Lakeチップ生産難航と信用格付け引き下げ: Intelは、次世代のPanther Lakeチップ生産において苦戦しており、18Aプロセスの歩留まりの低さが小売市場向けの大規模生産を困難にしていると報じられています。さらに、同社の信用格付けがBBBに引き下げられ、財務面での課題も浮き彫りになっています。
7. PCI-SIGがPCI Express 8.0規格を発表: PCI-SIGは、PCI Express 8.0（PCIe Gen8）の仕様を発表しました。この新規格は、最大256 GT/sの転送速度と1 TB/sの双方向帯域幅を実現し、2028年の登場が予定されています。これは、将来のコンピューティングシステムにおけるデータ転送速度を劇的に向上させる重要な業界標準の更新です。
8. 2025年第2四半期の半導体市場が大幅成長を記録: 半導体工業会（SIA）の調査によると、2025年第2四半期の世界の半導体市場は前四半期比7.8％増の1797億ドルに達しました。また、上半期の市場規模は前年同期比18.9%増の3460億ドルに達しており、半導体業界全体の力強い回復と成長が示されています。
9. キヤノンが20年ぶりに半導体製造工場を建設: キヤノンは、半導体後工程市場のブームを捉えるため、20年ぶりに半導体製造工場（ファブ）を建設する計画を発表しました。これは、半導体パッケージングや製造装置といった成長分野へのキヤノンの戦略的な投資と、ビジネスモデルの多角化を示す重要な動きです。
10. NEO SemiconductorがAIチップ向け超高帯域幅メモリを発表: NEO Semiconductorは、AIチップ向けに世界初の超高帯域幅メモリアーキテクチャ（X-HBM）を導入しました。この革新的な技術は、AIワークロードに不可欠なデータ処理能力を大幅に向上させ、AI技術のさらなる発展に貢献すると期待されています。

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